「カルビーの白黒パッケージ」に官邸はピリピリ 民間企業を「呼び出し」までする背景には「疑念」も
フロンティア精神
カルビーの大ヒット作で“やめられない、とまらない”のキャッチフレーズで知られる「かっぱえびせん」は1964年に生まれたが、地元の瀬戸内海で獲れる小エビにヒントを得たとされる。1995年に発売された「じゃがりこ」はそれまで家でたべることが一般的とされていたスナック菓子をコンパクトに外部に持ち出すことを目指したものとして画期的だった。2009年には創業家以外からトップにプロ経営者を招いたこともあった。
「カルビーは業界で進取の精神と言うかフロンティアの心をより強く持っている企業だという評価を受けていると聞きました。官邸もそういう評価をしているということですね。そのため、ある意味で今回のモノクロパッケージ版の発売もそうした精神のあらわれであり、マーケティングの色合いもあるのではないかという捉え方が官邸内では強いですね」(同)
どういうことなのか。
うまくやったよね
「カラーパッケージ版がなくなることを惜しむ客が商品に集い、代わって登場するモノクロパッケージ版にも客は興味を示し、結果的に売り上げがアップするという流れですね。もちろんこれも企業努力のたまものではありますが、どこよりも早く大きなインパクトのある商品を出せば注目を集めやすいという点で、カルビーはうまくやったよねという評価もまた官邸内でありますね」(同)
実際に白黒パッケージが店頭に並べば、すべてのニュース番組で取り上げられることは間違いない。さらに店頭でも逆に目立つ存在となるだろう。
危機を逆手に取ってしたたかに儲けるのはある意味で企業経営の要諦ともいえるが、ナフサ不足の危機をあおることにつながりかねず、「いささか矩(のり)を越えている」のではないかと官邸が見ていることもまた事実のようだ。わざわざ「ヒアリング」と称して呼び出すあたりには、こうした不満や疑念があると言えるだろう。
鈴木憲和農水相は、この件を受けて「食品包装に必要な資材など、ナフサ由来の化学製品の供給につきましては、全体として年を越えて継続できる見込みと承知している」と会見でコメント。さらに困りごとがあれば農水省の相談窓口へ、と呼びかけている。これを冷静な情報発信と捉えるか、大本営発表の一種と捉えるかは人それぞれであろう。しかし政府に相談して仕入れ価格の高騰や原料不足がどうにかできるなら苦労はない、と考える企業人のほうが多いのではないだろうか。
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