消滅危機の「リブゴルフ」 最大の敗因は「グレッグ・ノーマン」か…因縁のPGAツアーに切るべきだった“仁義”

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新たな出資者は現れるのか

 ゴルフ界は今季2つ目のメジャー大会、全米プロを迎えようとしているが、今の話題の中心は、何と言ってもリブゴルフである。

 サウジアラビアの政府系ファンド「PIF(パブリック・インベストメント・ファンド)」の支援を受けて、2021年に創設され、2022年から試合開催を開始したリブゴルフ。5シーズン目となる今季がすでに進行中だが、PIFからの支援が2026年いっぱいで打ち切られることが4月に発表されて、現在は大揺れしている。

 スコット・オニールCEOは、新たな出資者を獲得して2027年以降もリブゴルフを継続すべく、新たに社外取締役2名を迎え入れ、ニューヨーク拠点の投資銀行「デュセラ・パートナーズ」とパートナーシップを結んで資金繰りのアドバイスを求めるなど試行錯誤を始めている。

 果たして、新たな出資者は現れるのか。リブゴルフを継続することはできるのか。規模を縮小すれば、継続可能となるのか。それとも、リブゴルフは今季限りで消滅してしまうのか。その答えは、今は誰にもわからない。

 とりあえず、今季の残り試合は予定通りに開催され、これまで通りの賞金もギャランティされているため、リブゴルフ選手全員が残り試合に出場することはまず間違いない。

 問題は、今季の全試合が終了する8月以降、選手たちがどうするかだが、リブゴルフ自体の先行きが未定の現在は、選手たちも自身の身の振り方を決めあぐねている様子である。

 それにしても、あれほど豪華絢爛な試合を開催していたリブゴルフが、なぜ突然、こんな危機的状況に陥ったのか。あらためて考えてみると、最大の失敗はいわゆる「仁義」を切らなかったことだと思えてならない。

リブゴルフはまさに「Oil the wheels」

「仁義を切る」とは、日本の任侠映画などでしばしば聞かれる言葉だが、AIアンサーによると、「元々は『正しく挨拶をする』という意味。ビジネスシーンでは『礼を尽くす』『筋を通す』という意味で使われる」などとある。

 英語にも「根回しをする」「筋を通す」という意味の言い回しが、いくつかあり、「Oil the wheels(直訳すると〈車輪に油を差す〉)」はその1つだ。

 このフレーズは、「仁義」を欠いたことでサウジアラビアのオイルマネーの流入が途切れることになったリブゴルフにあまりにもぴったり。それがなんとも皮肉に感じられ、思わず苦笑させられた。

 そう、リブゴルフの最大の失敗は、PGAツアーやDPワールドツアーといった既存のトラディショナルツアーに対して、仁義を切らなかったことだ。

「新しいゴルフツアーを立ち上げます」「こういう日程、こういう競技形式でやります」「よろしくお願いします」という具合に、あらかじめ挨拶を交わし、理解や協力を求めていたら、リブゴルフの歩みは、もっとスムーズだったのではないだろうか。

 しかし、既存のツアーに対して何の挨拶もないまま、突然、創設を発表し、大金をオファーしてPGAツアーやDPワールドツアーのスター選手を次々に奪い取ったリブゴルフの進め方は、米欧両ツアーからすれば「聞いてない」「筋が通らない」という話になり、怒りや不快感を煽った。

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