“完全な無駄遣い”と異論噴出 テレビ朝日が開発した「AI早河会長」の評判
古来、権力者は自身の像を崇拝対象とし、神のようにあがめることを民に強いてきた。今回、テレビ朝日が鳴り物入りで発表した「AI早河会長」は、そんな“偶像”の現代版に見えるのである。
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【写真を見る】人間さながらのアドバイスを… 「AI」にされた早河会長
AIが語る“温もり”
毎年、4月1日のテレビ局の入社式にはドラマの番宣を兼ねて俳優や女優がゲストに呼ばれ、新入社員に向けてメッセージを送るのが恒例行事となっている。テレ朝も2023年は高畑充希と田中圭のコンビ、24年が石原さとみ、25年も橋本環奈と、毎年のようにスターが新入社員たちにエールを送ってきた。
「今年の新入社員がふびんでなりません」
とは、あるテレ朝関係者。
「なにしろ、入社式の目玉が例年とは違い芸能人ではなくて、『AI早河会長』だったんですから」(同)
「AI早河」がお披露目されたのは入社式の前日、3月31日の定例会見のこと。最新の生成AI技術と3Dモデリング技術を駆使して開発された早河洋会長(82)のアバター(仮想空間上の分身)なのだという。AIが過去の早河会長の発言や社内データを学習。社員の質問に対して会長の視点に基づいた回答を生成するとの触れ込みである。
「入社式では現実の早河会長とモニターに映し出された『AI早河』が壇上で20分ほど掛け合う場面もありました。『AI早河』が新入社員に向けて、“人間を最終的に動かすのは人間の持つ温もりだ”とアドバイスする一幕もあったそうです。AIからそんなアドバイスを言われるなんて、悪い冗談ですよ」(同)
会長におもねった“偶像”
社内では「AI早河」の評判は散々だという。
「会社はイベントでの使用のほか“企画案の壁打ち”に使うことを想定しているようですが、AIと対話して良い企画が思い浮かぶなら苦労はしません。今、世の中にはAnthropic社のClaudeみたいに新世代の高性能なAIチャットがいろいろある。あえて、多額の費用をかけて『AI早河』を開発した意図が分かりません。完全な無駄遣いですよ。上層部が会長におもねって“偶像”を作ったとしか思えないですね」(同)
実際、早河会長は「天皇」として君臨して久しい。
「早河会長は看板番組の『ニュースステーション』を立ち上げた初代プロデューサーとして頭角を現しました。09年にテレ朝初の生え抜き社長に就任し、14年から現在の会長職にあります。人事はもちろん、番組編成やアナウンサーのキャスティングに至るまで社内を掌握している。早河会長ににらまれて生きていける社員など一人もいません」(同)
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