匿名で“いじめ告白”も「サバンナ高橋茂雄」が謝罪する事態に…“大炎上”を招いたネット社会の厳罰化「悪いことをした人は、必ずバッシングされるべきだ」
マスゴミ批判でも炎上
そして3つ目は、番組の内容にも批判が殺到したことだという。
「SNS上の批判を要約すると『中山さんが先輩芸人の名前をカメラの前で堂々と明かしたのなら放送も理解できる。だが最終的に編集でカットしたのなら、いじめられたという発言を放送してはならない』という内容になると思います。こうした批判は、いわゆる“マスゴミ批判”と結びつき、さらに炎上が激しくなってしまいました」(同・井上氏)
今回の炎上から「いじめは絶対的な悪だという社会認識の広がり」や「前近代的で封建的な上下関係が色濃く残る芸人社会にも変化が生まれた」といった論点が浮かび上がったのは事実だろう。
かつて芸人の世界では、厳しい上下関係、師弟関係が当たり前だったことは言うまでもない。
ところが今回の炎上がきっかけとなり、先輩芸人の高橋は後輩芸人の中山に謝罪した。芸人の常識からすればこれだけでも驚くべきできごとかもしれない。
高橋の謝罪を「炎上が正義を実現させた」と受け止める人もいるようだ。だが、SNSなどに激しい批判を投稿した人々の全員が“純粋な正義感”に駆られていたかと言えば、それは違うという。
三越伊勢丹「内定取り消し」事件
「最近のネット社会では『悪いことをした人は必ずバッシングされるべきだ。炎上という社会的制裁を受ける必要がある』という考え方が主流となっています。炎上を容認するというより、必ず炎上させる必要があるというわけでしょう。その対象は芸能界やスポーツ界に限らず、政界でも財界でも変わりません。ある人の不祥事が報じられたのに、様々な要因が重なって炎上を免れた場合、『なぜ炎上しないのか!?』と憤りを覚える人も少なくないのです」(同・井上氏)
ネット上の炎上がバーチャルの世界で完結せず、高橋が謝罪したことや、レギュラー番組やCM契約の継続が問題視されていることに隔世の感を覚える人もいるだろう。だが炎上がリアルな社会に影響を与える歴史も実は長いという。
井上氏が例として挙げるのは2011年に発生した「三越伊勢丹『内定取り消し』事件」と呼ばれる炎上騒動だ。ちなみにネット上で流布されている呼称を記載したが、本当に内定が取り消されたのかは不明な点が多いことに注意をお願いしたい。
「きっかけは東京の名門私立大学に通う男子大学生が、性被害に遭った女性を侮蔑したかのような文章をTwitter(現X)に投稿したことでした。この投稿に批判が殺到し、炎上する中で大学生の個人情報が暴露されたのです」(同・井上氏)
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