魚介類はマグロやサーモンだけじゃない! 「マイナー魚」の美味しさに気づく人が急増中…「SDGsが浸透して野菜の規格外品のようにマイナーな魚への認知が広がってきた」

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都市部でこそ高まるマイナー魚人気

 一方、魚調理の上級者から人気なのが「株式会社ビビッドガーデン」(東京)が運営する産直サイト「食べチョク」だ。このサイトは、サービス開始から8年半。コロナ禍で利用者を増やし、現在の登録者はおよそ135万人。近年は利用者の2割ほどが魚を注文しているという。

 何匹もの魚介が入った鮮魚ボックスには、「未利用魚」(マイナー魚の別の言い方)と表記された鮮魚ボックスが数多く出品されている。同社の秋元里奈社長によると、「利用者は東京都や大阪府など都市部の人が中心。50歳代がボリュームゾーンで、釣り好きの人も多い。中には、魚をさばくのが趣味という若者もいて、夫婦で晩酌するために夫が早めに帰宅し、魚でお酒のあてを作る20~30代もいる」のだとか。

 利用者は普段は見慣れない魚を調理して、食べチョクの投稿やSNSで公開することがあり、「閲覧した人が同じように調理してみたいと思って、注文することが増えている」と秋元社長。各地の漁業者などが出品する鮮魚ボックスの中身は届くまで分からないが、「SDGsの浸透もあり、野菜や果物で大きさが不ぞろいだったり、形が悪かったりする『規格外品』のように、2~3年前からマイナーな魚の認知が広がってきた」(秋元社長)とみている。

 スーパーなどで定番の魚を買うのではなく、メギスやメヒカリ、ガシャエビといった食べチョクによる未利用魚の購入で「魚がさばけるようになった」「未利用魚にはまっちゃいました」といった声も寄せられ、次第に人気が高まっている。

 全国漁業協同組合連合会で魚食普及に取り組む馬田英史消費拡大対策室長は、「日本は世界でも稀に見るほど、水産資源が豊かで多くの種類の魚介が獲れる。流通などの事情で多くが食卓に届いていない現状は大きな課題。知らない魚もすごくおいしいということを多くの人に知ってもらうよう、生産者団体としても努力していきたい」と話している。

川本大吾(かわもと・だいご)
時事通信社水産部長。1967年、東京生まれ。専修大学を卒業後、91年に時事通信社に入社。長年にわたって、水産部で旧築地市場、豊洲市場の取引を取材し続けている。著書に『ルポ ザ・築地』(時事通信社)。『美味しいサンマはなぜ消えたのか?』(文藝春秋)。最新刊に『国産の魚はどこへ消えたか?』(講談社+α新書)がある。

デイリー新潮編集部

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