「東京に行けば結婚できる」は本当か? 出逢いを求めて上京した女性が“婚活難民”になってしまう切実な理由

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「都会の可能性」

 そもそも昨今の男性は「仕事や趣味に没頭し、あまり結婚を急がない」という傾向が認められる。地方はたとえ「若い男」が余っていても絶対数が少ないし、結婚の意欲を感じられない男性も目立つ。

 こうして結婚を求めて大都市に向かう女性は増える一方だ。そして目的地は東京を選ぶのが“令和のセオリー”ということになる。

 東北地方で次女として生まれ育った麻衣さん(仮名)は、地元の美容専門学校を卒業後、地元の中心駅近くの美容室に美容師として勤務しながら実家暮らしをしていた。

 順調に美容師としてのキャリアを積みながら、休日はマイカーで観光名所巡りに出かけるなど充実した毎日を送っていた。そして25歳を過ぎた頃から結婚を強く意識するようになった。

 美容室で働いていると、若い男性との“出会い”も少なくない。しかし彼女は客との距離感を重視するタイプで、男性客と必要以上に親しくなることは避けていた。周囲にめぼしい出会いも少なかったことから、マッチングアプリも利用したが思うような結果は得られなかった。

 ここで初めて彼女は「都会という可能性」に目が向いた。都会に行けば男性との出会いも増えるだろう。さらに美容師としても一層の経験を積めるはずだ。

自然消滅してしまった関係

 彼女のような地方出身の女性を「婚活難民女子」と呼ぶ人もいる。結婚願望とキャリアアップの向上心が合体すると、躊躇なく動く女性は多い。麻衣さんは翌年、東京の美容室で働くことが決まり、さっそく上京した。

 これまで勤めていた地方の美容室に比べると、東京はずっと来客数が多い。麻衣さんは多忙な毎日を過ごしながら“婚活”にも取り組んだ。結果、同じ美容室に勤務する4歳年上の男性美容師と休日にデートを重ねるようになった。

「この人と結婚するのかな」──互いのアパートを行き来するような半同棲生活を送りながら、男性美容師を結婚相手と考えるようになった。だが、彼からのプロポーズはない。

 実は男性美容師は自分の給与が少ないことを気にしており、とうとう麻衣さんに「結婚しても子供を育てる自信がない」と打ち明けた。このまま恋人関係を続けるのが無難だという。

 結婚願望が強い麻衣さんは「共働きで頑張ろう」と提案したが、相手が結婚に同意することはなかった。そのまま関係は自然消滅した。

 第2回【“まじめで責任感が強い男性”ほど結婚に踏み切れない…令和の「婚活パラドックス」が生んだ日本人男性の“3人に1人が生涯独身”という現実】では、男性美容師は自身が持つ「一家団欒の記憶」に悩まされていたという意外な展開と、女性は「理想の男性像」を時代に合わせてバージョンアップできたにもかかわらず、男性は「理想の女性像」を再構築できていない事実について、詳細にお伝えする──。

藤原良(ふじわら・りょう)
作家・ノンフィクションライター。週刊誌や月刊誌等で、マンガ原作やアウトロー記事を多数執筆。万物斉同の精神で取材や執筆にあたり、主にアウトロー分野のライターとして定評がある。著書に『山口組対山口組』、『M資金 欲望の地下資産』、『山口組東京進出第一号 「西」からひとりで来た男』、『闇バイトの歴史 「名前のない犯罪」の系譜』(以上、太田出版)など。

デイリー新潮編集部

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