「24時間テレビ」の単なる延命策に終わるのか 「内村光良」初登板の裏にある日テレの“思惑”
大きな転換点
8月29・30日に日本テレビ系で放送される「24時間テレビ49 -愛は地球を救う-」の総合司会を内村光良が務めることが明らかになった。内村にとって同番組の総合司会は初めてであり、羽鳥慎一、水卜麻美アナウンサーとともに番組の中心に立つことになる。今年のテーマは「わたしの家族の話~あなたは誰を想う?~」であるという。【ラリー遠田/お笑い評論家】
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【写真】若い、初々しい…ともに24歳の「ウッチャンナンチャン」
「24時間テレビ」は今、大きな転換点に立たされている。長年にわたって日本テレビの夏の看板番組として定着してきた一方で、近年はチャリティ番組としてのあり方に対する批判が強まっている。
感動を前面に押し出す演出、障害者や困難を抱える人々の取り上げ方の安直さ、出演者にギャラが支払われること、そして番組全体に漂う「善意の強制」のような空気。それらに対する違和感は、SNSの時代になって可視化されるようになり、風当たりは年々強くなっている。
決定的だったのは、2023年に発覚した寄付金着服問題である。日本テレビ系列の日本海テレビの元幹部社員が、番組に寄せられた寄付金を着服していた問題は「チャリティ」を掲げる番組の根幹を揺るがして、人々の不信感を増幅させた。
日本テレビが今「24時間テレビ」で直面している課題は、単なる視聴率低下やマンネリ化ではない。番組の信用そのものをどう回復するのかということだ。その局面で好感度の高い内村を総合司会に据えたことには、かなり明確な狙いが見える。
内村光良というタレントの最大の特徴は、「押しつけがましさがないこと」である。彼は長年にわたって第一線で活躍してきた大物芸人でありながら、自分の存在を前面に押し出して場を支配するタイプではない。内村の司会術は、場の中心にいながら中心に見えすぎないところにある。
これは「24時間テレビ」の司会にとって重要な資質である。今のこの番組に必要なのは巨大なカリスマではない。むしろ、過剰な演出や過剰な感動を中和し、視聴者の警戒心を下げる存在である。内村にはその能力がある。彼が画面にいると、番組の空気が柔らかくなる。感動を煽るというより、人がそこにいることを静かに受け止めるようなムードが生まれる。日本テレビ側が起用の狙いとして「番組の中でのファミリー感」に言及していることも、この方向性と重なる。
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