そろそろ限界? いやまだ上がる? 2026年地価公示から占う数年後の「新築マンション価格」の見通し

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一部の東京湾岸エリアでは中古マンションの売れ行きが鈍化

 インバウンド需要の影響が強く出ているのが、外国人に人気の観光地「浅草」を有する台東区。2026年地価公示では、東京圏の商業地上昇率トップ10に、6地点がランクイン。浅草のみならず、上野・御徒町など着工している建物の用途の多くがホテルとなっている。かつては、交通利便性の高さからマンション立地としても人気が高かったがホテル用地との競合で、分譲価格を上げざるを得ない状況だ。渋谷区などの商業地も同様で、ホテル立地として魅力的な場所でのマンション供給は、これからも減少していくだろう。

 実際に、2025度の首都圏新築マンション供給戸数は、2.6%減少の2万1659戸となっており1973年以降で過去最低を更新した。また、平均価格が9383万円、平米単価が141.9万円と、いずれも最高値となっている。地価上昇に加え、原材料価格や人件費の高騰で、建築費も上昇を続けている。新築マンション価格の上昇は、当然の動きともいえるだろう。

 留意したいのは、地価上昇のスピードが速まっていること。東京圏の商業地の地価上昇率(%)は、2022年から順に+0.7、+3.0、+5.6、+8.2、+9.3で推移している。マンション用地の仕入れから販売開始までに一定の時間差があることを考慮すると、数年先には分譲価格がもう一段階、上がる可能性すらある。

 東日本レインズの新築戸建住宅レポートによれば、東京都の2026年3月度の新規登録物件の平均価格は、前年同月比5.7%上昇の6516万円。マンションに比べて新築戸建ては、用地取得から分譲までのサイクルが短く、地価動向の影響が反映されやすい。新築マンションの価格上昇で、新築戸建てに目を向ける人も増えており売れ行きも堅調だ。新築マンション価格は向こう数年間、上昇する可能性が高いと見ていいだろう。

 新築マンション価格の上昇で、首都圏中古マンション価格は、上昇を続けているが地域差がある点には注意が必要だ。東日本レインズによれば、2025年の首都圏中古マンションの成約価格は、対前年比6.3%上昇の5200万円となっているものの東京23区のみが11.2%の上昇で、ほかの地域はすべてマイナスだ。駅近の大規模マンションなど上昇傾向のマンションがある一方で、築年数の古い物件など下落しているマンションも多い。平均で見ると価格上昇は続いているが、マンションの選別化が進んでいる点は留意したい。

 土地価格の上昇や建築コストの高止まり、マンション適地の不足などの供給制約もあり供給が需要を大きく上回る状況は考えにくい。いっぽうで、インフレによる家計の圧迫や金利上昇による返済リスクの高まりなどでマンションの購入マインドが低下する可能性もある。

 実際に、一部の東京湾岸エリアでは中古マンションの販売在庫が積みあがっており、売れ行きが鈍化しているケースも見られる。住宅ローン金利の上昇もあってグロス価格を意識して購入を考える人も増えているようだ。日本国債の10年物金利が2%を大きく上回り、20年物金利が3%を超える状況では、借入額を抑えるのは当然のことだろう。

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