プロ野球でおなじみとなった「リクエスト」の問題点…メジャーとは雲泥の差、セ・パでも開きがある「ビデオ判定」の死角とは

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映像判定の問題点

 問題は(2)で挙げたカメラの台数です。

 現在、パ・リーグは「パ・リーグTV」を立ち上げ球団映像を制作しています。一方、セ・リーグは球団によって球団映像の制作方法がまちまちで、資本関係があるテレビ局に委託するか、地元放送局の中継映像を購入するといった形がとられています。

 このため、中継に何台のカメラを使うのかはテレビ局の裁量に任されていて、特に近年厳しさを増すテレビ業界にあっては「カメラの台数を増やしてほしい」と言われても簡単には応じられない状況になっています。

 MLBのカメラ12台というと、日本の場合オールスターゲームや日本シリーズなど大きな試合での台数なので、球場からの映像が判定に十分なアングルから撮られているかと問われると甚だ心許ないと言わざるを得ません。

 かつてはホーム、ビジターともにほぼ全試合中継されていた巨人戦の放送権料で儲けてきたセ・リーグの球団の古い体質が、いまだに続いているのが一因です。もはや巨人戦のテレビ中継で稼ぐビジネスとしては破綻した今、球団の体質改善とあわせアメリカのようにNPBが一括管理する方向へシフトしていく時期ではないでしょうか。

 MLBでは今年、さらに一歩進みストライク、ボールの判定までリプレイが適用されています。審判の権威はどこへ、と言いたくなる時代ですが、次回は審判について取り上げます。

村上和宏(むらかみ・かずひろ)
フリーアナウンサー。1967年、広島県出身。専修大学法学部卒業後、91年に東海ラジオ放送入社。制作局アナウンサーとして、主にスポーツ実況を担当。2025年の退社まで、プロ野球をメインに多くの番組制作に携わった。

デイリー新潮編集部

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