実は“魔性の女”とは正反対「川島なお美さん」の意外な素顔 「ワイン名言」の一方で「夫に付き合って芋焼酎を飲み始めたら、これがまた美味しいんです」
女優魂を語る
女優としての姿勢を垣間見ることができたのは、こんなエピソードだ。
94年、岩下志麻の主演映画「新極道の妻たち 惚れたら地獄」で情交場面を演じたが、本人曰く、これが〈「失楽園」へと続く、女優ロードの原点と呼ぶべき作品になりました〉。
〈撮影の行われた京都では、プロデューサーに毎晩のように祇園界隈に連れて行ってもらい、岩下志麻さん、夏目雅子さん、十朱幸代さんと、先輩女優の方々のお話をたくさん聞かせてもらいました〉
そのプロデューサーから、こう言われたという。
「大女優というのはね、皆、酒が強いんだ。なお美クンも大女優になるために強くなった方がいいぞ」
川島がその時に飲んでいたのは日本酒。プロデューサーの言葉を聞いて、その気になってグイグイあおり、酔っ払ってしまった。お店の玄関の三和土で転び、大きな青痣ができるほど、ひどい尻もちをついたそうだ。そのため、撮影で志麻姉さんに全力で立ち向かうことができなかった。それでも降旗康男監督はOKを出してくれて、リテイクしないで撮影を終えた。
しかし、どうしても納得ができない。後から考えたら、勇気を出して「すみません。もう1回やらせてください」と言うべきだったと悩んだ。
飲んでやらかしても、素直に反省して立ち上がる……。意外だが、川島はそういう根っからの昔気質の女優だったのではないか。
酒では反省もしたが、「私の体はワインでできている」という名言もあるほどだから、そののめり込み方も半端ではなかった。まず、フランス語から習い、いくつかのワインスクールに通い、そしてワインエキスパートの試験も受ける徹底ぶり。
いつも、飲み始めはシャンパンだった。「とりあえずビール」ではなく「とりシャン」。しかも、シャンパンのことはシャンパーニュと呼んだ。
前掲の『熟婚のすすめ』では、流行や世の中に流されてフワフワ生きている女性を「コムスメ」と言い、〈大人の女には、フルボディの大恋愛をがつんと味わってもらいたい〉と書いた。
実は健康志向
鎧塚氏との出会いは05年11月で、07年に婚約を発表、09年に入籍し、「宇宙イチ美味しい披露宴」はファーストデートした6月23日と決めた。数名の有名シェフらによるオリジナル料理、そしてワインのセレクトは人気ソムリエの田崎真也らが手がけた。
その半面、連載では鎧塚氏との庶民的な家庭生活も明らかにした。料理はほぼ毎日。トマトと玉ねぎを入れて生姜をかけた味噌汁を作ったり、健康を気遣って青汁を飲んでもらったり。
〈夫に付き合って芋焼酎を飲み始めたら、これがまた美味しいんです。ささいなことも幸せを感じます〉
存命なら、今の時代に向け、魔性を持ちながら筋が通った古風な川島流を発信する、強烈なインフルエンサーになっていた気がする。





