高校野球で看過できない不祥事が続出 “構造の歪み”が生む連鎖の正体
高校野球界で不祥事が後を絶たない。昨夏の広陵、今年に入ってからの日大三、そして九州国際大付と、短期間で問題が続いた。今春の選抜大会は接戦続きで盛り上がりを見せたが、その裏側では構造的な課題が改めて浮き彫りになっている。【西尾典文/野球ライター】
繰り返される不祥事
昨夏の広陵では上級生が下級生に対して暴力を振るう事案が発覚し、大会期間中に出場辞退へと追い込まれた。今年2月には、昨夏の甲子園で準優勝した日大三の野球部員2人が女子生徒にわいせつな動画を送らせて拡散したとして書類送検され、チームは活動を休止している。
さらに今月7日、九州国際大付の元部員が部内で暴行を受けながら、学校側が適切な対応を取らず転校を余儀なくされたと主張し、学校と野球部監督に対し損害賠償を求める訴訟を起こしたことが判明した。九州国際大付は昨年秋の明治神宮大会優勝校で、選抜高校野球に出場した強豪校。大きな話題となっている。
日本高野連と全日本大学野球連盟を統括する日本学生野球協会は同日、審査室会議を開き、不祥事に対する処分を決定。日大三には5月9日までの対外試合禁止処分が下された。
毎年のように繰り返される不祥事は、なぜなくならないのか。大きな要因の一つは指導体制にある。高野連に加盟する野球部や部員数は、少子化や選択肢の多様化によって減少傾向にある。一方で強豪校の中には、3学年で100人近い部員を抱える学校が残る。それに対して指導者の数は限られているケースが多い。
[1/2ページ]


