キース・ジャレット“伝説的ライブ”の仕掛け人は「18歳の女子高生」だった…史上最も売れたピアノソロの名盤“誕生秘話”を描いた映画「1975年のケルン・コンサート」が話題
用意されていたピアノは……
「キースが指定したピアノは、大型最高級の〈ベーゼンドルファー290インペリアル〉でした。ところが、ステージにあったのは、同社の小型〈ベビー・グランド〉。小学校の講堂で使うようなピアノで、しかも調律もペダルの調子もおかしかった。〈インペリアル〉は劇場地下室にあったのですが、動かすだけで保険や専門家の管理同行が必要で、そう簡単に移動できるものではないのです」(同)
いったいなぜ、このような手違いが発生したのかは、いまでも不明らしい。しかもキースは連日の移動で腰を痛めており、体調も絶不調。即座にキャンセルを言い出す。
「映画は、ヴェラが、この危機をいかにして乗り越えるかを、快テンポで描いてゆきます。ライブ音盤になっているのですから、実現することは、誰でも知っています。それでもハラハラさせられどおしでした。一部創作もありますが、とてもうまい演出です。残念ながら権利関係の問題か、本番の音源は流れないのですが、観終わったあと、すぐにライブ音源を聴きたくてたまらなくなるでしょう」(同)
また、この映画は、ジャズに詳しくないひとでも楽しめるよう、独特な演出があるという。
「音楽誌『メロディ・メーカー』のジャーナリスト、マイケル・ワッツが登場し(役者が演じています)、ジャズやインプロヴィゼーションとはどういうものかをカメラに向かって解説してくれるのです。しかも、キースの車に同乗し、彼の苦悩や、なぜこうやってヨーロッパをプロデューサーと2人だけでまわっているのかを聞き出します。このパートがあるために、とても深みのある音楽映画になりました」(同)
果たしてコンサートは、どのようにして開催に漕ぎつけるのか。ここから先は、スクリーンでご確認いただきたい。
ところでこのライブ音源、いま、日本で予想もしない“発展”をとげているのをご存じだろうか。
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