5月から電気代の「爆上がり」でパニックが… 「国民は電気代が上がっていないと錯覚させられているだけ」

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国民は錯覚させられている

 アクセンチュア時代に電力会社などのプロジェクトに参画し、現在は環境・エネルギー分野のビジネス推進を行うRAUL株式会社の代表取締役を務める江田健二氏は、こんな意見だ。

「電気代のコスト増を価格に転嫁できる企業なら、製品やサービスを値上げします。結果として世の中全体で物価が上がる。いわゆるインフレにつながっていきます。一方で、飲食業など簡単に価格を上げられない業種にとっては、電気代の上昇がそのまま利益を圧迫することになります。電気代が厄介なのは、使った後に請求書が来るという点です。普段通りの価格でビジネスを行っていたら、想定外の電気代を請求される恐れもあります。しかも電気のみならず、ガソリンや軽油など輸送費コストも上昇しています。企業としては値上げをするか、人件費を削るか、あるいは利益を削って耐えるかなどの選択を迫られることになります」

 雇われる側からしても、会社の業績次第では昇給が先延ばし。下手をすればボーナスが減らされかねない。

「電気代については、今後じわじわと“真綿で首を絞められていく時代”に入ると考えられます。実のところウクライナ侵攻以来、世界的なLNGなどの価格高騰で、電気代はほとんど下がっていません。国の補助金によって何となく今まで通り払えているように国民は錯覚させられているだけで、元の単価ベースでは電気代が上昇しています。気付かないうちに負担がじわじわと積み上がり、すでに“ゆでガエル”のような状態に陥っています」(同)

「5月以降、国民はパニックに」

 4月から補助金が打ち切られた結果、多くの人々は電気代高騰という現実に直面する。

「これまで日本では補助金という“魔法の薬”が処方され続けていたわけですが、このまま国から何も説明がなく夏を迎えて電気料金が上昇すれば、国民がパニックに近い反応を示すかもしれません。5月から6月にかけてエアコンを使う機会が増え、電力需要が高まり始めるとエネルギー価格の影響が可視化されていく。仮に政府が補助金で対応しようとした場合でも、これまで以上に多額の財政負担が必要になります。その時に政府はどうするのか。まだ課題は残ります」(江田氏)

 国の財源が乏しい中で、高市政権がガソリンのみならず電気にまで補助金投入を決断するとなってしまえば、再び過ちを積み重ねることになろう。

 前編では、ガソリン代への補助金が国民の首を絞める理由や、原油高騰で影響を受ける商品などについて紹介している。

週刊新潮 2026年4月9日号掲載

特集「電気・ガス代の“記録的上昇”は確実 高市政権『原油高対策』の過ち」より

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