「けじめは大事」と言われ、結婚まで肉体関係ナシを貫いたのに…“純粋な妻”と暮らす41歳夫が落ちた「エリート新入社員」の魔力
結婚するまで肉体関係ナシ
双方の親も祝福してくれ、ふたりは家庭をもった。結婚するまで肉体関係はなかった。真未さんを傷つけたくなかったからだと悠樹さんは言う。
「誘いましたよ、もちろん。だけど彼女は結婚するまではしたくないと唇を噛みしめた。ごめんね、けじめって大事だと思うのと言われて、そうだよねと言うしかなくて」
だから結婚を急いだ。つきあって半年でプロポーズし、その3ヶ月後にはたまたまキャンセルであいた式場で急いで結婚式を挙げた。キャンセルされた会場だったのは真未さんには秘密である。
「真未は家事を優先させたいという理由で、パートの仕事を始めました。僕の勤める会社は、結婚して10年ほどは借り上げ住宅に格安で住むことができるんです。その間に家を買うお金を貯めろよということだと思うけど。『家を買うなら、頭金くらいは出す』と両方の親が言ってくれましたが、家庭をもった限りは自立したいから断りました。ふたりでいちからきちんと家庭を築いていきたかったんです」
そんな悠樹さんを「あなたは立派な人だわ」と真未さんは褒めてくれた。妻に褒められるのは気持ちのいいことだと彼は知った。一蓮托生とか二人三脚とか、そういう言葉は人を元気にするものだと当時は励まされたという。
「1年後には長男、その2年後には次男が生まれました。僕の父親は職人だったんですが、家では毎日、晩酌をしていて酔うと楽しい人だった。あぐらをかいて、その足の中にすっぽり僕を入れて、ずっと頭を撫でながらお酒を飲んで……。僕は兄と妹のいる3人きょうだいの真ん中ですが、きょうだいはみんな父親にかわいがられた記憶がある。よけいなことはあまり言わなかったけど、成績が悪くても怒られたことがない。存在まるごと愛されていると自然に感じていました。それは母も同じです。口うるさくて世話好きで、めんどうなこともあったけど僕らのことを最優先してくれているのはわかっていた。形は違っても、子どもを愛する気持ちは同じ。真未もかわいがられて育ったから、僕らも同じように子どもを大事に育てていこうと話したのを覚えています」
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