コメに野菜、卵や魚も“高騰”は不可避…トランプ大統領「イラン攻撃」継続宣言が“日本の食卓”を直撃する 「円安に原油高が加わってあらゆる商品が値上がり」と専門家
ドナルド・トランプ大統領は日本時間の4月2日、イランでの軍事作戦に関するテレビ演説を行った。作戦は圧倒的勝利を収めたと自画自賛し、今後2、3週間のうちに、イランを石器時代へと逆戻りさせる」と攻撃強化をアピール。期待されていた停戦や和平交渉の言及は皆無で、市場関係者や専門家からは失望の声が上がった。さらにイランが実質的にホルムズ海峡を封鎖している問題では、アメリカから原油を買うよう求めた上で、「ホルムズ海峡に行って石油を取ってくればいい」と居直った。
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ホルムズ海峡の問題で、トランプ大統領は日本を名指しした。韓国の聯合ニュース(電子・日本語版)は2日、「トランプ氏 韓国に『役立たず』=ホルムズ海峡問題で」との記事を配信。トランプ大統領がホルムズ海峡の安全確保に関して「欧州諸国にさせればいい。韓国にさせればいい。日本にさせればいい。彼らは海峡から石油の90%を持ってきている。中国にさせればいい」と発言したと伝えた。
現在、ホルムズ海峡を迂回しようと、サウジアラビアの東西パイプラインがフル稼働している。紅海に面するサウジのヤンブー港から原油が輸出されているようだが、親イランの武装組織で、イエメンのフーシ派が3月28日に参戦を表明した。フーシ派が紅海を封鎖する可能性も取り沙汰されている。
原油高が続けば、日本経済にどのような影響が出るのだろうか。元大和総研主任研究員でテラ・ネクサスCEOの田代秀敏氏は「ありとあらゆる商品とサービスが激しく値上げされるのは間違いありません」と言う。
「ガソリン、灯油、電気、ガスといったエネルギー価格が上昇するのは明らかですし、原油由来の製品はプラスチック製品、合成繊維、肥料、薬剤、化粧品、接着剤と多岐にわたります。それらの価格は一斉に上昇するはずですし、事実、一部の商品は早くも価格が上昇しています。おまけに今の日本経済は歴史的な円安ですから、調達コストも跳ね上がります。原油高が続けば『こんなものまでこんなに値上がりするのか』と日々、驚かされることになるでしょう」
“令和のコメ騒動”再発の可能性
特に庶民の生活を直撃する可能性があるのは野菜、コメ、魚、卵だという。
「野菜が値上がりするのは、肥料の価格が上がるからです。肥料の三大要素は窒素、リン酸、カリウムです。どれか一つ欠けても農業はできません。リン酸は硫酸と硫黄とを用いて製造します。その硫黄は石油の精製過程から製造されます。原油高や原油不足は硫黄の価格を急騰させ、肥料の価格を押し上げてしまうのです。野菜は全般的に価格が上がると考えられますが、特に私たちの生活に大きな影響を与えるのはコメでしょう。今年産の新米の価格が上昇する可能性があります」(同・田代氏)
魚の価格が上昇するのは、漁船はディーゼルエンジンで動き、取った魚の輸送にもガソリンか軽油が使われるからだ。
「小型船舶の燃料にはA重油が使われます。アメリカでA重油は1ガロン当たり3ドルだったのが今では約1・7倍の5ドルになっています。日本が95%依存している中東産原油は米国産原油より価格が7割増し上昇していますから日本でA重油の価格は約1・7倍の7割増しの約2・9倍に上昇すると考えられます。これは魚の価格を相当に押し上げるでしょう。さらに養鶏場はヒナの成長や産卵率の維持に暖房が必要です。温風ヒーターなどが使われるわけですが、その燃料はLNG(液化天然ガス)です。LNGは揮発するので備蓄ができません。さらに天然ガスの大生産国であるカタールのガス・プラントがイランに攻撃されて操業を停止しています。結果、LNG価格も急騰しているのです。卵はスーパーの目玉商品なので可能な限り価格転嫁を控えていますが、耐えられなくなると一気に価格が跳ね上がる可能性があります」(同・田代氏)
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