山奥のトンネルに描かれた“儚げな少女のグラフィティ”に「日本のバンクシー」との声…「この作者、上手いですよ。落書きなのが惜しいくらい」とプロも絶賛
儚げな少女のグラフィティ
ネットで大いに話題になったのが、大阪府南部の林道のトンネルに描かれた少女の絵であった。これだけは他と作風が異なるうえ、顔だけではなく胴体まで描かれているのが特徴だ。木々に囲まれた人がほとんど通らない薄暗いトンネルの入口というロケーションが、少女の雰囲気に合っている。
その面影から、SNS上では“儚げな少女のグラフィティ”と呼ばれている。筆者は現地に行って見てきたが、可憐な少女の姿に見入ってしまったほど、非常に魅力的な絵である。2018年に撮影されたGoogleストリートビューでは、この絵を確認できない。現地で聞いた話では、どうやら2025年の後半頃に描かれたと推定される。
SNSの情報によれば、すぐ近くのトンネルが心霊スポットとして有名なのだという。この女の子も足がないため、「幽霊の少女を描いたのではないか」という見解もある。帽子の上に、天使の輪のような小さな楕円が描かれているのはそのためだろうか、などと考えてしまう。
「落書きなのが惜しい」
SNS上では、「どんな理由でも落書きはダメ」と批判する声もあるものの、「絵自体の完成度は高い」として、評価する人も比較的いるようだ。筆者の知人で、数々の雑誌で表紙などを描いている高名なイラストレーターに、純粋な絵としての感想を聞いた。
「いやあ、率直にかわいいし、上手いですね。スプレーに限ったことじゃないですが、下描きをしないで、一発描きをするのはかなり難しいのです。しかも、こういう落書きは周りの目を気にしながら一気に描かなければいけないわけでしょう。誰か人が来るんじゃないかなと、ドキドキしながら不安な気持ちで描いたら、普通なら線が震えてしまいます。
ところが、この絵は線が凄くきれいで迷いがありませんし、勢いがあります。作者がかなり絵を描くのに慣れていて、高い画力の持ち主であることは間違いありません。こんな壁面に巨大な絵を大胆に描ける人は、私たちのようなイラスト業界には少ないと思う。大きなキャンバスに絵を描いた経験がある、美大などの出身者ではないかと推測します」
このイラストレーターは「今のSNSの空気感だと、僕の名前を出すと“落書きを肯定するのか”と言われて炎上しそうなので、僕も匿名で…」と話しつつ、「この作者、上手いですよ。落書きなのが惜しいくらいですね」と語っていた。少なくとも、絵として見れば優れた作品であることは間違いないようだ。
[2/3ページ]



