米国の攻撃は本当に国際法違反? 専門家が解説 戦争収束はいつになるのか
そもそも国際法違反なのか
ただ、国際法を長年にわたり勉強してきた身としては、やはりもっと大前提の問題、つまり今回の行動が果たして国際法違反なのかどうか、という議論から始めてもいいと考えます。
イランがIAEAの査察を拒んで核ミサイルの開発を続けていたことに対し、2006年、安保理で経済制裁の決議が下されたことは周知の通りです。
こうした「ルールを守らない国」に何らかの武力行使に出ることが、国際法上アウトなのか。武力を用いることが一切禁じられるのか。この点の議論はあっていいと私は思います。
日本政府が「(武力行使は)許容される」と答弁したことはない一方で、かといって全面的に「国際法違反だ」と断じることも容易ではありません。現に1960年代から学会でも議論が続いてきました。法律論として簡単に断定することは、かくも難しい問題なのです。
では、トランプ大統領はいつまで戦争を続ける気なのでしょう。
私は、トランプ大統領は早期の終結が念頭にあるとみています。開戦当初こそ「2~3週間で終わる」としていましたが、イランの反撃もあり、だんだんそうもいかなくなってきました。しかし、このままホルムズ海峡の封鎖が長引けば、原油価格は上がり、アメリカもその影響から逃れられず、アメリカ経済にとってマイナスとなることは言うまでもありません。
より規模の大きな軍事行動に出る可能性も
今年は7月4日にアメリカ建国250周年記念日という節目が、11月には中間選挙が控えています。トランプ大統領は確かに強力なリーダーとはいえても、専制国家の指導者、独裁者ではありません。あくまで民主的な選挙で選ばれたリーダーで、選挙を無視することはできません。
ならば、どこかで戦争を収束させなければならないと考えるはずです。ただし終結のため、より規模の大きな軍事行動に出る可能性も否定できません。
気になるのは、トランプ大統領が会談でたびたび口にしていた「step up」という言葉です。会談の首尾を踏まえれば、今後、アメリカが日本の法的な制約や事情などお構いなしに「とにかく協力してくれ」といった無茶な要望を突き付けてくることこそなくとも、これ以上の要求がないとも言い切れない。そこが懸念材料であり、日本の対応がいずれ問われる時が訪れるのではないかと考えます。
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