「法律に書いてあること以外はできない」 イラン戦争で自衛隊にできることとは? 元自衛隊統合幕僚長が解説

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「法律に書いてあること以外はやってはいけない」

 普通の軍隊というのは、その国の国民の生命、財産を全力を尽くして守るために存在します。しかしながら、その過程においては国際法を守る必要があり、また、その時々の政治的な制約にも左右される。それゆえ「普通の国」の軍隊には、「全てオーケーだけど、これはやるな」というふうに命令が与えられます。

 一方、日本の自衛隊は、国内法的には軍隊ではないとされている。歴史的経緯からすれば、“警察の延長”とされているわけです。そういう事情もありますから、自衛隊の行動を律する「自衛隊法」も、警察行政組織としての考え方で構成されているのです。それゆえ、自衛隊は「法律に書いてあること以外はやってはいけない」というポジティブリストによって行動します。

 しかし、こういう考えは他国からは理解されにくい。トランプ大統領は高市首相に対して、「あなたは自衛隊の最高指揮官ではないのか。ならば、あなたの判断で命令を出せばいいじゃないか」と思うのではないでしょうか。それが彼の率直な感想だと思います。

 ホルムズ海峡危機に日本がどう対処するか、という問題が繰り返される中、今回もいろいろと検討はしたけれど、戦闘中の船舶護衛はできない、という結論に至った。本当にこれでいいのでしょうか、というのが私が思うところなのです。

河野克俊 元自衛隊統合幕僚長

週刊新潮 2026年4月2日号掲載

特集「日本を悩ます『イラン攻撃』」より

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