甲子園で浮かんだ“本当の評価” センバツで明暗が分かれた高校生ドラフト候補
センバツは毎年、ドラフト候補の現在地を測る重要な舞台となる。冬を越えた成長の度合い、全国レベルの相手に対する対応力、そして大舞台でどれだけ持てる力を発揮できるか。スカウトにとっても、夏を見据えた評価の土台を固める意味合いが大きい。だが今年の甲子園では、有力選手の力関係を見極める難しさを指摘する声があった。多くのNPB球団スカウトが視察に訪れるなか、大会途中に球場で顔を合わせたスカウトは、こんな本音を漏らした。【西尾典文/野球ライター】
【写真】「ストレートが強いのがいい」智弁学園のエース・杉本真滉
左投手ではトップクラス
「なかなか厳しいですね。春先だということを考えても状態のよくない選手が多い。夏までに状態が上がってくれればよいのですが」
その背景にあるのが、大会前から最も注目を集めていた織田翔希(横浜3年・投手)と菰田陽生(山梨学院3年・投手兼内野手)の存在だ。
織田は初戦で神村学園を相手に7回2/3を投げて2失点。試合は作ったものの、球速、制球ともに本来の状態とは言い難く、チームも初戦で姿を消した。一方の菰田は打者として本塁打を放ち、非凡な能力を示した。しかし守備で打者走者と交錯した際に左手首を骨折し、投手としては登板がないまま離脱。大会期間中にスカウト会議を行う球団も多いだけに、この2人の評価は難しい判断を迫られる状況となっている。
その一方で、今大会のパフォーマンスによって評価を押し上げた選手がいたのも事実だ。全体としては投手に有力候補が多い印象で、なかでもスカウトの評価が高かったのが智弁学園のエース・杉本真滉(3年)である。初戦では昨秋の東北大会を制した花巻東を相手に、被安打3、7奪三振で完封。続く2回戦でも横浜の織田を攻略した神村学園を相手に延長10回を一人で投げ抜き、1失点完投勝利をマークした。
「ストレートが強いのがいいですね。ミットに収まるまで勢いが落ちない。(花巻東戦の)序盤は高めが多いので、二巡目以降はそのあたりのボール球を見極められるかなと思って見ていましたが、中盤からはしっかり低めにも決まるようになって、最後まで球威も落ちませんでした。変化球はまだそこまで凄いボールはありませんが、ストレートがあれだけ良ければ相乗効果でカーブもスライダーも十分武器になります。気持ちが強そうなのもいいですね。高校生の左投手ではトップクラスでしょう」(パ・リーグ球団スカウト)
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