「異色の“食”ドラマ」7年ぶり続編…派手さは皆無でも“世界190カ国”に配信 居酒屋横丁の「めしや」が国境を越えて愛される理由

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7年ぶりの新作

 俳優の小林薫(74)が主演を務める人気ドラマ「深夜食堂」の新シリーズが、今秋にMBS・TBS系の深夜帯の「ドラマイズム」枠で放送されることが先ごろ発表された。ドラマの原作は全世界でシリーズ累計発行部数900万部を突破した、安倍夜郎氏の同名コミック(小学館刊)。日本を代表する国民的「食」コミックとして知られる。

 舞台になるのは、人々が「深夜食堂」と呼ぶ、東京・新宿ゴールデン街のような横丁の片隅にある小さな“めしや”。営業時間は深夜0時から朝7時ごろまでで、基本のメニューは豚汁定食に、ビールと焼酎、酒だけ。しかし、小林演じる本名・経歴不明の店のマスターは、注文があれば、できるものなら何でも作る。様々な事情を抱えた客が店を訪れ、お腹だけでなく心も満たしていく。

 シリーズ第1作は2009年10月から12月にかけて、MBSでは土曜、TBSでは木曜の深夜帯に放送された。

「小林さんが演じるマスターはドラマオリジナル設定で飄々とした人柄。左顔面にワケありの傷跡があります。服装はドラマ用に仕立てられた作務衣に前掛け姿。注文を受ける際は常に『あいよ』と返事をし、手際よく料理を作り始めます。自分から話し掛けることはめったになく、基本的に客の話に耳を傾けるのです。そのスタイルは一貫して変わらず、ちょうど寝る前の時間帯の放送ということもあり、見ながらでも見終わってからでも気分よく寝落ちできる作品でした」(放送担当記者)

 店の常連は「お茶漬けシスターズ」と呼ばれるOL3人組、フリーのカメラマン、老舗のゲイバーを経営するママ、ストリッパー、地回りのヤクザら、ひとクセもふたクセもある客ばかり。

 そこに毎回、売れない演歌歌手、カリスマセクシー男優、著名な料理評論家、プロボクサー、新聞奨学生、往年のアイドルなどワケありの客が訪れる。しかし、いずれの客もマスターの料理に心を打たれていく。

「常連客にはオダギリジョーさん(50)、宇野祥平さん(48)、安藤玉恵さん(49)、松重豊さん(63)。そしてゲストは田畑智子さん(45)、田口トモロヲさん(68)、風間トオルさん(63)、岩松了さん(74)、音尾琢真さん(50)、でんでんさん(76)ら、いずれも演技派ぞろい。ブレーク前の田中圭さん(41)も出演していました。マスターが客のリクエストに応えて作る料理は、赤ウインナー炒めと卵焼き、猫まんま、バターライス、ソース焼きそば、お茶漬けなど、どこの家庭でも作れるようなものばかり。それでいて、注文した客にとっては“思い出の逸品”なのです」(同前)

 地上波では11年に「深夜食堂2」、14年に「深夜食堂3」が放送され、15年には初の劇場版「深夜食堂」が公開された。

「当初はヒットの見込みが立たず、資金調達に苦労したようで、完成までに6年を要しました。製作委員会には、ミラノ・コルティナ冬季五輪のフィギュアスケート・ペアで金メダルを獲得した“りくりゅう”ペアを長年支援してきた木下グループも名を連ねていました。結果として、わずか80館の小規模公開にもかかわらず、興行収入2.5億円というヒット作となりました」(映画業界関係者)

 そして16年11月には劇場版第2弾「深夜食堂2」が公開された。

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