自転車「青切符導入」で売れるモノ “持つな、ふさぐな”…罰金1.2万円時代の新需要

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意外と盲点?“雨の日”消費

 もう一つの大きな変化は、雨天時の行動だろう。先述のとおり傘さし運転は違反の対象となる。雨の日に傘を使えない状況が当たり前になるわけだ。

 少し古いデータになるが、「傘調査2022」によると、日本人の傘の所有数の平均は4.2本だという。出先で雨に降られてしかたなく買う……というケースでこれだけの本数になっているわけだが、そんな「緊急購買」の購入先として最も多いのがコンビニである。

 今回の自転車の青切符制度導入で、レインコートやレインポンチョ、レインパーカーといった雨具の緊急購買需要が高まることは必至だろう。そこで注目したいのが、コンビニが扱う雨具だ。

 たとえば、ファミリーマートが展開する人気ブランド、コンビニエンスウェアのレインポンチョ(税込2,435円)は、軽量でたたみやすく持ち運びに優れた仕様となっており、日常使いに適したアイテムとして支持を広げる可能性がある。ローソンも、4月14日よりアウトドアブランドのコールマンと共同開発したはっ水防水レインパーカー(税込3,980円)を4月14日に発売。テント技術を応用した背中のムレ対策や収納機能を備え、より本格的な用途にも対応できる設計となっている。

 緊急購買に限らず、軽量でコンパクトに持ち運べるモデルや、防水性と通気性を両立した機能性雨具は、今後、より求められるようになる。コンビニも、自転車利用を前提とした機能性を強調する商品ラインアップの拡充が進むとみられる。単なる雨具ではなく、自転車ユーザー向けの必需品として位置づける動きが強まる可能性がある。

便利グッズから「実用品」へ

 制度の影響は特に都市部で顕著に現れる可能性が高い。通勤や通学で自転車を利用する人が多い東京などでは、駅周辺や交差点、交通量の多い道路を中心に取り締まりが強化されると考えられる。

 このような環境変化の中で、スマホホルダーや音声デバイス、オーディオグラス、そして機能性レインウェアといった商品は、単なる便利グッズではなく、違反を回避するための実用品として認識されるようになる。中長期的には、安定した需要が見込まれる分野へと変化していくはずだ。

 青切符の導入によるその変化は交通安全の向上だけでなく、消費行動や市場構造にも影響を及ぼす。利用者にとっては早めの対策が重要であり、事業者にとっては手に持たない、耳を塞がない、雨でも快適といった価値をどのように商品として具体化するかが問われる局面に入ったといえる。制度変更を前向きに捉え、安全で快適な自転車利用を実現できるかどうかが、今後の大きな分岐点となりそうだ。

渡辺広明(わたなべ・ひろあき)
流通アナリスト。コンビニジャーナリスト。1967年静岡県浜松市生まれ。株式会社ローソンに22年間勤務し、店長、スーパーバイザー、バイヤーなどを経験。現在は商品開発・営業・マーケティング・顧問・コンサル業務など幅広く活動中。フジテレビ『FNN Live News α』レギュラーコメンテーター、TOKYO FM『馬渕・渡辺の#ビジトピ』パーソナリティ。近著に『ニッポン経済の問題を消費者目線で考えてみた』(馬渕磨理子氏と共著、フォレスト出版)がある。

デイリー新潮編集部

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