山田裕貴×綾野剛「ちるらん」大ヒットが示す「時代劇」の可能性 「地上波×配信」ドラマ新時代の仕組み

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

ドラマは資金繰りの時代

 この作品に刺激を受け、日テレとHulu連合も新たな仕掛けを考えるのではないか。TBSとTHE SEVENも時代劇以外の新たな作品を用意するのは間違いない。THE SEVENは制作したアウトロー映画「愚か者の身分」がヒット中で、Netflixでも高い配信数を記録している。同社はU-NEXTとライバルであるNetflixとも提携しているのだ。

 身も蓋もない言い方のようだが、ドラマは制作費がないと、どうにもならない。視聴者が歓迎するような俳優や脚本家が集められない。スタジオ費を節約するから、じっくり時間をかけて撮影するのも難しい。映像処理もチープにせざるを得ない。

 7月から放送予定のTBS「VIVANT」の前作が爆発的ヒット作にできたのも破格の制作費があったから。通常の制作費では海外ロケすら出来なかった。

 これからのドラマづくりは動画配信サービスなどとどう組み、制作費を調達するかがカギを握る。資金集めが勝負どころの1つなのはほかのビジネスと同じだ。むしろ、これまでは民放界が自分たちは特別と思いすぎていた。ヒットメーカーのセンスのみで名作が生める時代は終わった。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。1990年にスポーツニッポン新聞社に入社し、放送担当記者、専門委員。2015年に毎日新聞出版社に入社し、サンデー毎日編集次長。2019年に独立。前放送批評懇談会出版編集委員。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。