名手・井端弘和が目を留めた英明・池田隼人 数字に出にくい遊撃手の“真価”

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数字だけでは見えてこない魅力

 9回の2つ目の失策の場面は、打球が手前で大きく跳ねるイレギュラーバウンドで、守る側にとってはかなり難しい打球だった。その直後も、本人の言葉通り周囲に積極的に声をかけており、焦った様子は全く見られなかった。

 池田の守備には、英明の香川純平監督も絶大な信頼を寄せている。

「彼については、エラーをしても何とも思わないです。低く投げるように言っていたので、全く問題ありません。いつも落ち着いてプレーしていますし、焦ることもありません。ミスが出て焦ることで、変な要素が出てくることもよく分かっていると思います」

 監督にここまで言わせる選手もそう多くはないだろう。1回戦では結果の出なかった打撃も、続く東北戦では初回に安打と盗塁で先制点の足掛かりを作り、2安打1打点1四球と活躍。1番打者としての役割をしっかり果たしてみせた。

 現時点で高校からすぐにプロ入りするタイプではないだろう。ただ、守備に表れる落ち着き、状況判断、無駄のない動きには、数字だけでは見えてこない魅力がある。派手さはなくても、見る人が見れば強く印象に残る選手。池田はまさに、数字に出にくい遊撃手の“真価”を体現する存在だった。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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