最終回「リブート」を徹底考察 視聴率断トツの大ヒット作が仕掛けた「伏線」と衝撃の「結末」

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ひき逃げ犯は弥一か

 合六の店で真北は夏海に向かって、「僕はこっち側の人間なんですよ」といやらしく笑った。それでいて直後には遠回しに夏海を庇った。夏海が涙ながらに早瀬の救命を訴えているとき、「合六さん、さすがに僕たちのいるところで手荒なマネは勘弁してくださいよ」と頼んだ。夏海は真北たちがいる間は生き延びられる。

 夏海と真北の電話にはまだ意味がある。この電話を真北がしていたのは自宅内。電話を切ると、誰かに向かってやさしく微笑んだ。状況から見て相手は妻・葉月(小橋めぐみ)である。

 葉月は12年前、ひき逃げ事故を起こした。そのために真北は警視庁内の本流から外れた。以降、葉月はずっと負い目を感じ続けたものの、真北は近く全てが解決すると表情で伝えたのではないか。

 葉月のひき逃げは分からないことだらけである。順法精神が強く求められるエリート警察官の妻でありながら、なぜ法令通りの事故処理をせず、逃げてしまったのか。また真北に葉月を責める素振りが見えず、むしろ庇っているように映るのはどうしてなのか。

 この事故にこそ真北の行動の理由が全て詰まっている。ひき逃げをしたのは葉月ではなく、若手政治家だったころの弥一だと推理する。葉月は弥一の将来を潰さないために身代わりになった。おそらく家族であることが利用された。

 そう考えると、真北と弥一のいびつな兄弟関係も理解できる。葉月の心を閉ざさせた恨みがあるから、真北は弥一の摘発に躍起になっている。第6回で明らかになったとおり、6年も前から儀堂に指示して合六の動きを探らせていた。

 真北は第9回で早瀬と夏海に対し、意味深な発言をしている。「妻の笑顔を取り戻すためにも僕は出世しなくてはならないんです」。真っ先に口から出た言葉は「出世」ではなく、「妻の笑顔を取り戻す」なのである。優先順位が表れている。

 おそらく真北は自分の狙いを悟られぬよう、弥一と合六に従順なフリをしてきた。弥一は第9回後半で「おまえを警察内の見張りに付けておいて良かった」と悦に入ったが、真北が連携しているのは与党なのである。それは第7回で本人が早瀬に明かしている。嘘を付く理由は見当たらない。

 弥一は真北に向かって「おまえは警察のトップに立て。オレは日本のトップに立つ」と豪語した。だが出世は弥一と組まなくても実現できるのだ。弥一が捜査2課に摘発されたら、野党第1党は惨敗必至。与党は選挙で大勝できるから、論功行賞で真北は出世できる。

 真北が本当は弥一と合六側の人間ではないという状況証拠はまだある。第9回。早瀬と夏海が真北宅を訪れた際、2人にお互いの現在地が分かるGPS機能付きのスマホを渡した。2人には役立った。この情報を真北は合六に上げていない。合六は2人の行方を追っていたから、位置情報は喉から手が出るほど欲しかったはずなのだ。

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