「ファン全員の葬式に行きたい」高齢者に推されすぎる元48アイドルがファン特典に生存確認電話を設けた訳 孤独死を防ぐ「推し」とファンとの絆
「自分はおじさん」の固定概念を変える
――そう考えるとアイドルの可能性は、すごいものがありますね。
田中:アイドルと“おじ”の相性ってめっちゃいいと思っているんですよ。おじさんって誰しも「いつでも自分は大丈夫」って過信するじゃないですか? でも実際はそうではなくって。そのプライドを取り除けるのって、アイドルしかいないんじゃないかって思っているんです。
ファンクラブをやる前から、ファンの方が「おじさんだからもう誕生日が嬉しくない」ってみんな言っていたんですよ。でも、それは誕生日をお祝いする文化が年齢を重ねるとなくなるから嬉しくないんじゃないかと思って。
当時は配信ライブをやっていたので、事前にファンの人の誕生日を聞いて、全部iPhoneのカレンダーに全部メモを入れて、誕生日の人がいたら配信して、その配信内で「涙サプライズ」を流してお祝いしていたんです。
そうすると、みんな「自分の誕生日は何月なのでメモしといてほしいです」と言ってくれて、すごく誕生日が嬉しいものだって解釈してくれるようになったんです。シニアプランにも「誕生日にバースデー動画」があります。固定概念で「自分はおじさんだから、こういうのは違う」と思ってたものを嬉しいものに変えられたらいいなって考えています。
“おじ”に対しても「かわいい」としか思わない
――田中さんがそれだけファンに尽くせるのはすごいことです。天使じゃないですか。
田中:おじいちゃん子だったからですね、きっと(笑)。それこそ私が生まれた時から足が悪くて、小さい時からお風呂に入る手伝いをしていたんです。それも全然嫌とかじゃなくて、むしろおじいちゃんが喜んでくれる、助かっていることが嬉しかったんです。
私は覚えていないんですけど、小5でHKT48でデビューした時に、劇場公演で「将来の夢はデイサービスを開くことです」ってずっとMCで言ってたらしくて。だからおじいちゃんが昔から好きだったんだと思います。
ファンの“おじ”に対しても「かわいい」としか思わないです。「キモ」とも「近付かないで」と思ったこともないですし、むしろ私から近付いて「みかんちゃん、やめて、やめて」と恥ずかしがって逃げられるくらいです(笑)。
でも私が「かわいい、かわいい」と言い続けるから、おじたちも嬉しいみたいです。アイドルも「かわいい」と言われて嬉しいですけど、おじさんも「かわいい」と言われたら嬉しいんですよ。
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