「人生で彼氏ゼロ」高橋成美(34)になぜ、オファーが殺到するのか? 7か国語を操る慶大卒、元トップアスリートのポテンシャル

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マルチな能力

 今のテレビでは、1つのジャンルに特化している専門家だからといって、次々に仕事が舞い込むわけではない。ワイドショー、情報番組、クイズ、トーク、バラエティの垣根がなくなり、それぞれが地続きになっている現在では、専門性を持ちながらも、場の空気を壊さず、必要に応じてイジられたり笑いを取ったりもできる人が重宝される傾向にある。

 その点、高橋は専門家としてフィギュアの話をすることができる一方で、常にテンションが高く、明るく、バラエティ系の企画にも前向きに取り組める。知識が豊富でクイズ番組などにも適応できる上に、体力勝負のロケ番組にも向いている。幅広い分野のバラエティ番組に適応できるマルチな能力を持っているのだ。

 高橋成美のタレントとしての本質は「元アスリート」でも「インテリ」でも「天然キャラ」でもない。それらを全部含んだ「サービス精神の強い表現者」であるところに価値がある。

 高橋成美が多くの番組に求められている理由は、単に直近の五輪で解説者として話題になったからではない。それは単なるきっかけに過ぎず、それ以前からバラエティの仕事は少しずつ増えていた。彼女が求められているポイントは、専門性の高さ、言語感覚、知性、感情表現、リアクションの良さ、そして少し不器用で愛嬌のある人柄が高密度に同居していることにある。

 いくつかの顔を持っていて、番組や企画の性質に合わせてキャラクターを微調整できるのも、タレントとしては強みになる。彼女はアスリート系タレントの新星として、すでにブレーク寸前の状態にあると言えるだろう。

ラリー遠田(らりー・とおだ)
1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり 〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)、『松本人志とお笑いとテレビ』(中公新書ラクレ)など著書多数。

デイリー新潮編集部

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