34年ぶりに「僕は死にましぇん!」の続編が放送 “トレンディードラマの女王”と“国民的教師役”による異色のラブストーリーを手掛けた「レジェンド脚本家」とは

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伝説の名シーン

 そして、第6話の終盤にドラマ史に刻まれる伝説の1シーンが登場する。

 薫と達郎がゴールインに向けて歩む中、薫は再び恋人を失うことへの恐怖から抜け出せないことを告白したのだ。すると、達郎はダンプカーの前に飛び出して間一髪の所で停止させ、運転手から罵声を浴びせられる。それに構うことなく、達郎は涙ながらに「僕は死にません。僕は死にません! あなたが好きだから、僕は死にません。僕が、幸せにしますから!」と絶叫。その名シーンを「SAY YES」が彩った。

「台本のセリフは『死にません』だったのに、いつの間にか一部メディアが表記した『死にましぇん』がすっかり定着してしまいました。あのシーン、武田さんはノンスタントで挑んだそうですが、ダンプカーが予定した停止位置では止まらなかった。そのため、武田さんは思いきりのけ反ってかわしています。あわや交通事故というほどの迫真のシーンでした。だから視聴者の心を打ったのでしょう」(当時を知る元フジの局員)

 このシーンをきっかけに2人がゴールインしてハッピーエンド――というエンディングもあったはずである。しかし、後にTBS系「高校教師」(93年)、フジ系「ひとつ屋根の下」(同)、日本テレビ「家なき子」(94年、企画で参加)など数々の名作ドラマを世に送り出した野島氏は、ここで“ひと波乱”を設定するのだった。

 達郎のプロポーズを受け入れ、婚約した薫の前に現れたのが、亡くなった真壁そっくりの達郎の上司・藤井(演・長谷川初範、70)。薫は藤井にひかれ、藤井は薫にプロポーズ。婚約破棄の形になったが、達郎は会社を退職し、もう一度薫に向き合うため司法試験に挑むも不合格に。

 達郎は婚約指輪を海に投げ捨て、薫のことをきっぱりあきらめた。ところが、深夜、道路工事のバイトをする達郎の下にウエディングドレスを着た薫が駆けつけ、「私をもらってください」と“逆プロポーズ”。薫は落ちていたナットを指輪代わりにはめ、達郎と歩き出す。

 第8話以降、視聴率は23.3%、23.4%、26.6%、30.5%と上昇を続け、第12話の最終回では全話最高の36.7%を記録した。

 ドラマの高視聴率に加え、第6話の名シーンがバラエティー番組でパロディー化されるなどして、「僕は死にましぇん」は91年の「新語・流行語大賞」の大衆部門・金賞を受賞。「SAY YES」は282.2万枚を売り上げチャゲアス最大のヒット曲となった。その人気ぶりは国内のみにとどまらず、2003年には中韓合作版、06年には韓国・SBS版のリメークドラマが放送され、2013年に日中合作版の映画が公開された。

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