バイトの女性に「今日もかわいいね」「化粧変わった?」…喫茶店を“スナック”扱いする高齢男性の心理 「お昼に食べて」とおにぎりを渡されることも

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政治や文学の話をされても困る

 実際に店員はどのように感じているのか。筆者が行きつけにしている喫茶店の店員に話を聞いてみた。

――長時間にわたる会話で、レジを占拠する高齢者がいますね。

店員:正直、迷惑しています。列ができているときには話しかけられても困りますし、そうでないときでも困ります。「かわいいね」「化粧が変わった?」などと言われても反応に困りますし、セクハラではないかと思います。

――実際にセクハラだと思いますが。

店員:ちょっとした会話程度ならいいんですけれどね。ただ、なかには政治の話や、文学の話をしだす人もいます。政治の話は、自分が推す政党のことを延々と話され、別の政党の支持者を「バカだ」と言い出す。気持ち良いものではありません。私が「知りません」と話すと、「あなたはそんなことも知らないんだな」と上から目線で話す人もいました。

 店のベテランスタッフに聞くと、店員に上から目線で絡む人は、公務員や大企業に勤めていた人が多いようです。おそらく、こっちがバイトだから何も知らないと思って、調子に乗る人が多いんでしょうかね。

おにぎりをくれるおじさん

――他に迷惑だなと感じたことはありますか。

店員:私は長話と恫喝程度で済んでいるのですが、他の喫茶店でアルバイトをしている友人は、どうも半分ストーカーみたいなおじいさんに絡まれていて、店をやめようと思っているそうです。

 誕生日を聞かれたので話したら、誕生日に花束とチョコレートを贈られたそうです。そして、「僕の誕生日にもプレゼントをくれると嬉しいな」と言われたんですって。あと、その人は料理が趣味なんだそうですが、「お昼に食べて」と、おにぎりを握ってきたそうです。さすがに気持ち悪いと思ったそうです。

――いくらなんでも、それは食べたくないですよね。

店員:もし、私が同じ場面に遭遇したら「受け取れません」と言いますし、もし受け取ったとしても食べずにこっそり捨てます。お客さんはひょっとすると寂しいのかもしれませんが、その心のすき間を店員で埋めようとするのは、やめてほしいですよね。

店員の名札のイニシャル化は進むか

 ほかにも、ある喫茶店では、客に退勤の際に“出待ち”されるなどのストーカー行為をされた結果、アルバイトを辞めた店員もいたという。喫茶店側もこうした事態に苦慮している。ある喫茶店チェーンは、店員に対するパワハラやプライバシーの侵害が懸念されることから、それまで本名を書いていた名札の表記をイニシャルにするなどの対策を進めた。

 会計のセミセルフレジ化も進み、客と店員が会話をする機会を減らす取り組みも進んでいる。これはコロナ騒動の間、感染対策の一環として普及した手法だが、パワハラ、セクハラ対策としても一定の効果は見られるようだ。一方で、なんでも店員にやってもらうのが当たり前だった高齢者世代からは、不満が上がっている。

 チェーン系喫茶店も様々なスタイルがあるものの、一部の客の迷惑行為に悩んでいるケースは少なくないようだ。日本の接客業のクオリティは世界一だと思うが、そういった迷惑を顧みない行為によって様々な規制がかかり、社会が不便になっていることを自覚する必要があるだろう。

ライター・山内貴範

デイリー新潮編集部

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