「侍ジャパン」世界にバレた阪神「W大砲」の衝撃…「佐藤輝明」を“天才”と断言できる理由、「森下翔太」が尊敬する“メジャーの怪物”の名前を「元阪神4番」が証言

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 日本の大砲は、大谷翔平だけではない──。井端ジャパンは惜しくもベスト8で敗退したが、一方で、鮮烈な“国際大会”デビューを印象づけた2人がいた。日本時間の3月15日、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)日本代表は準々決勝でベネズエラと対戦。2対1とリードされていた日本は3回裏、8番の源田壮亮が四球で一塁。9番の若月健矢が送りバントで源田は二塁に進塁し、1番の大谷翔平は敬遠されて2番の佐藤輝明がバッターボックスに立った。

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 佐藤は鮮やかなタイムリー二塁打を放ち、日本は2対2の同点に追いついた。さらに3番の森下が勝ち越しのスリーランを放ち、日本は5−2とリードした。もし、この点差を日本の投手陣が維持していれば、ともに阪神のクリーンナップを務める佐藤と森下が殊勲選手に挙げられたのは間違いないだろう。

 改めて類い稀な実力を持つ選手だと証明したわけだが、彼らが傑出した強打者であるのは何が理由なのか。まずは昨シーズンの打撃成績を確認しておこう。

【佐藤輝明:1999年生まれ、27歳】
597打席、40ホームラン、102打点、打率2割7分7厘、出塁率3割4分5厘
※ホームランと打点はセ・リーグトップ

【森下翔太:2000年生まれ、25歳】
620打数、23ホームラン、89打点、打率2割7分5厘、出塁率3割5分

 阪神OBの広澤克実氏は「特に森下選手はWBCの強化試合での打撃を見ていても、『彼を討ち取れる投手はいるのかな?』と思うほど隙がありませんでした」と言う。

「今の森下選手は『どこに投げられても打つ』という状態です。2022年に入団した彼が、これほど急成長を遂げたのは、逆説的ですが『監督の助言に従わなかった』からです。当時の監督は岡田彰布さんで、森下選手の才能に着目し、フォーム改造を指示しました。岡田さんは前で球を叩くタイプだったからですが、森下選手は『ステイバック』なので球をぎりぎりまで引き付けて打ちます」

「ホームランアーチスト」はどっち?

 しかし森下は監督から指示されても、ステイバックのフォームを変えようとはしなかったという。ベテラン選手ならまだしも、文字通りの新人選手だったにもかかわらず、だ。

「ステイバックの代表的なスラッガーと言えば、森下選手にとって中央大学の先輩である牧秀悟選手、阪神OBの金本知憲さん、そしてMLBで762本塁打を放ったバリー・ボンズさん、という顔ぶれになります。球をギリギリまで引き付けると詰まった当たりになるリスクが増えるはずですが、彼らは非常にスイングスピードが速いのでホームランを打つことができます。私は森下選手に一度、取材をお願いしたことがあります。その際に『尊敬しているバッターはバリー・ボンズ』と答えたので『なるほど、分かっているな』と感心しました。私がプロ野球選手になって何年もかかって会得したことを、なぜ森下選手は数年でマスターしてしまったのかと驚きました」

 広澤氏は、もう一方の佐藤に関しては「森下選手も天才肌かもしれませんが、ひょっとすると佐藤選手のほうが、より天才ではないだろうか、と思うことがあります」と言う。

「何しろ佐藤選手はインハイ、つまり内角の高めの球を非常に苦手にするという、“巨大な穴”の持ち主なのです。ピッチャーにとっては楽に討ち取れる打者でも不思議はないはずですが、昨年の成績は40ホームランに打率2割7分7厘です。失投などを見逃さずに打っているとはいえ、これはもう天才と言うしかありません。さらに球をより遠くに飛ばすという観点で見ると、佐藤選手も森下選手も“ホームランアーチスト”の名に恥じません。とはいえ、より遠くに、より高く飛ばすという観点では僅差ではありますが、佐藤選手のほうが上回っているように思えます」

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