トランプ大統領の“真のターゲット”は「中国」か…イラン、ベネズエラに電撃攻撃を断行した“本当の理由”

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米中首脳会談で主導権を握る

 しかし、米国にとって、一連の背後により大きく横たわるのは、何といっても今春に実現を模索するトランプ大統領の訪中である。トランプ氏にとって、来るべき習近平国家主席との米中首脳会談において、主導権を完全に持った上で臨むことは極めて重要な課題となる。

 イラン、ベネズエラという一連のオペレーションにより、トランプ氏は、中国のエネルギーの「チョークポイント」(戦略的要衡)の掌握を狙った。米国が石油生産の主要エリアに対する影響力を増せば、交渉における強力なカードとなる。例えば、中国が世界生産の多くを占めるレアアースなどに対抗できる、戦略的ツールを確保したいというわけだ。

 イランやベネズエラからの石油供給が大きく制限されれば、中国の軍事活動は重い制約を受けかねない。軍艦や航空機は、膨大な燃料を消費する。エネルギー供給が不安定になれば、長期間の行動を継続することは難しくなる。

 いずれにせよ、年初からの一連の動きが示すのは、世界の安全保障は地域、分野ごとに切り分けられているわけではないという事実だ。全ては影響し合う一つの構図の中にある。

 極東では台湾情勢が焦点となっている。つまり、エネルギーを含む地政学的な洞察は、日本にとっても、不可欠であるのは言を俟たない。

 イラン情勢について「出口の見えない戦い」という紋切り型の視座を超越した先に、見据えるべきものはあると言ってよいのだ。

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市ノ瀬雅人(いちのせ・まさと)
大手報道機関にて20年近く国政、外交・国際関係などの取材、執筆、編集を務めた。首相官邸、自民党、旧民主党、国会のほか外務省などの官庁を担当した。

デイリー新潮編集部

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