トランプ大統領の“真のターゲット”は「中国」か…イラン、ベネズエラに電撃攻撃を断行した“本当の理由”
消耗戦の色彩も
実際、米国はイランにおける作戦の初期に、政府高官を狙った精密なオペレーションを行った。最高指導者のアリ・ハメネイ師もその過程で死亡したとされる。
一方、イランではその後、ハメネイ師の次男、モジタバ・ハメネイ師が後継指導者となった。反米体制が継続する可能性があり、米国の目論見通りに政権が転換するかどうかは予断を許さなくなりつつある。
もし、イランの新政権が中国との関係を維持すれば、米国の戦略は失敗する可能性が否定できない。
実際、モジタバ・ハメネイ師は現地時間の12日、米国の攻撃に対して徹底抗戦する旨の声明を発出した。原油輸送に欠かせない交通要路のホルムズ海峡の封鎖を続ける意向も明らかにした。
また、イランにおいては、戦いの様相に複雑化の兆しがある。トランプ米政権が何としても回避したい消耗戦の色彩ものぞかせつつある。
戦闘が長期化すれば、戦費のコスト負担の増大は免れない。トランプ大統領からはイランからの撤退を示唆する発言も出ているという。
「国自体が要塞」のイラン
例えば、イランによるドローン作戦である。
近年の戦争では、製造コストが比較的安いドローンが、高価な兵器を破壊するケースは当たり前となった。数百万円のドローンが、数十億円の戦車を爆破するといったことが起こり得る。
とりわけイランは、ドローン製造大国である。通常の自爆ドローンに加え、大量の「ダミードローン」を同時に飛ばすことで、迎撃側のミサイルを浪費させる戦術を採用しているようだ。
トマホークなどの巡航ミサイルや地対空迎撃ミサイルの金額は数億円が相場という。ダミードローンの迎撃は、経済的にも戦略的にも大損害だ。米国にとって、近年の特徴であるドローン戦への対応は、手探り感が否めない。
こうした消耗戦が進行すれば、米国にとって、ホルムズ海峡の制御やエネルギー掌握といった戦略目標への影響は必至だ。短期決戦による決着という目的を達成できるかどうかは、まさに正念場に差し掛かってきた。
イランは山岳と砂漠に囲まれており「国自体が要塞」とも呼ばれ、防御する側に有利な地形を持つ。ゲリラ戦ともなれば、米軍にとって容易ではない展開となる。とはいえ、こうした難攻不落の荒野での軍事作戦の遂行となる一方、新しい兵器や戦術を実戦で検証する機会になり得る。
実際、1月のベネズエラでは、通信網の遮断や制空権の確保を組み合わせた多領域における統合作戦が、初めて行われたとされる。
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