「えっ、泣いた…?」 衆院選での自民圧勝を決定づけた“高市首相の涙”…ベテラン記者が高市旋風の核心を目撃した「秋葉原での第一声」
力が入った「国旗損壊罪の創設」
高市の演説そのものは、ニュース性も盛り上がりも今一つで、正直に言って最初は退屈だった。高市政権での政策転換や政策の重要性をアピールしていたものの、安全保障問題など「国論を二分する政策」の具体的な中身も、検討を加速するとした2年間限定の「食料品の消費税ゼロ」にも触れなかった。
だが、20分ぐらいたって、高市が実現に強い意欲を示す「国旗損壊罪」の創設について説明するあたりから、演説に力が入ってきた。
「外国国旗を汚したり、破ったりしたら拘禁刑を受けるかもしれない。でも日本国旗はどう扱ってもいい。それはおかしい」
刑法92条は、侮辱する目的で外国国旗を損壊した場合、2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金を科すと定める。しかし、日本国旗に関する規定はないことを高市は問題視していた。2012年に、日の丸も対象に加える議員立法の法案を国会に提出したが、廃案となった経緯がある。
「衆院法務委員会の委員長は、よその党(筆者注:解散時は立憲民主党)の人です。最も反対しそうな党の人が委員長です。おそらく(法案を)出しても、審議入りしてもらえない。内閣として出したかったけど、諦めざるを得なかった。(公明党が連立政権を離脱して)連立の枠組みが変わった。4議席足りない。自民党と維新で過半数(233議席)きっちり数を取らせてください。重要な委員会はほかの党が(委員長を)持っている。予算員会も、憲法審査会も、法務委員会も……」
「泣いた?」
ここまでしゃべったあと、高市はそっと左手で目尻を拭った。演説開始から22分たっていた。「え? 泣いた?」。当初はよく分からなかった。
「今、勝負しなければ、せっかく高市内閣で政策を打ち出したけれど実現できない。責任ある積極財政だって、危機管理投資だって、これから審議される。自民党と日本維新の会が出したい法律案だって、委員長をよその党が持っていたら、実現できない」
高市の演説はだんだん悲壮感を漂わせてきた。少数与党の悲哀でもあった。眉間に縦じわを寄せ、半分泣き顔のようにも見える。こうした表情は、今もノーカットで残っている高市の秋葉原演説の動画サイトで確認できた。
実は自民党の公式サイトでも「高市首相の涙」を大々的に伝えていた。第2回【高市首相は秋葉原の第一声で「3度、涙を拭った」…自民党HPもアピール“涙がこみ上げる”姿でダメ押しした“高市旋風”の正体】では、その驚くべき内容を詳しくお伝えする──。





