上田晋也はなぜ「アッコにおまかせ!」の後番組に選ばれたのか 「翻訳者型」司会者が今の時代に合う理由

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番組の交通整理役

「上田晋也のサンデーQ」のコンセプトは、出演者の疑問を専門家がその場で解消していくことだ。上田は素朴な疑問を拾い上げ、それを徹底的に掘り下げていく。それによって難しいニュースを「自分ごと」として感じてもらうことを目指すのだという。豊富な知識を持っていて、幅広い分野の話題に対応できる上田は、この番組の交通整理役としてふさわしい存在だ。

 上田の生放送の情報番組への対応力の高さを示す事例もある。2021年1月24日放送の「サンデー・ジャポン」(TBS)である。この日、脳梗塞で入院した爆笑問題の田中裕二の代役として、上田がサプライズ出演を果たしたのだ。彼は初めて仕切る番組とは思えないほど、生き生きとした立ちふるまいを見せていた。

 得意の「例えツッコミ」を駆使して自分から笑いを取りに行くこともあったが、決してでしゃばりすぎない。生放送の司会を突然任されて、滞りなくのびのびと仕事をこなしていたこと自体が奇跡的だった。そのときのことを考えると、「上田晋也のサンデーQ」でも安定した司会ぶりを見せてくれるのは間違いない。

 上田晋也は、和田アキ子のポジションを受け継ぐ存在ではない。強い個性で場を制圧するのではなく、ニュースを視聴者にわかりやすく届ける翻訳者の役割を果たす。彼は今の時代に合った新しいタイプの“お昼の顔”になるだろう。

ラリー遠田(らりー・とおだ)
1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり 〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)、『松本人志とお笑いとテレビ』(中公新書ラクレ)など著書多数。

デイリー新潮編集部

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