新人王争いは“2年目世代”が主役 西武・篠原響を本命視する理由
開幕まであと1ヵ月を切り、プロ野球はシーズン本番へ向けた調整が進んでいる。ペナントレースの行方と並び、この時期になると気になってくるのが新人王争いだ。セ・リーグではドラフト1位ルーキーが中心となる構図が見えてきたが、パ・リーグは少し様相が異なる。ルーキーの有力候補が目立つ状況ではなく、2年目以降の若手が主役となる展開が見込まれる。ここまでのキャンプやオープン戦の内容を踏まえ、パ・リーグの新人王争いを展望していきたい。【西尾典文/野球ライター】
コンスタントに150キロ超え
パ・リーグは、セ・リーグの中西聖輝(青山学院大→中日1位)、竹丸和幸(鷺宮製作所→巨人1位)、立石正広(創価大→阪神1位)のようなルーキーの有力候補が少ない印象だ。そうした事情から、本命として挙げたいのが2年目の篠原響(西武)である。
福井工大福井時代は甲子園出場こそなかったが、3年春の北信越大会で好投を見せるなど北陸では評判となり、2024年のドラフト5位で入団。ルーキーイヤーの昨年は二軍で16試合に登板して8勝5敗、防御率2.20と見事な成績を残し、シーズン終盤には一軍のマウンドを経験した。他球団の編成担当は、その能力の高さに驚いたという。
「高卒ルーキーの場合、二軍ではまず自分のボールを投げるだけで精一杯というケースが少なくありません。ただ篠原は違いました。自信を持って投げているように見えましたし、プロのストライクゾーンにも苦労していませんでしたね。まだ細身ですがボールが強く、ストライクゾーンで勝負できる。変化球も器用に操れる。こんな高校生がいたのかと正直驚きました」
このキャンプではWBCに臨む侍ジャパンのサポートメンバーに選ばれ、2月23日のソフトバンク戦で先発して1回を無失点、2奪三振と好投。西武はエースの今井達也(アストロズ)が抜けた穴を埋める必要があり、先発の一角として一気にブレイクする展開が期待される。
対抗馬として挙げたいのが、高卒3年目の東松快征(オリックス)だ。享栄では下級生の頃から本格派左腕として評判となり、2023年のドラフト3位で入団。2年目の昨シーズンは開幕一軍入りを果たした。最終的に一軍では7試合の登板で0勝2敗、防御率10.80に終わったが、二軍では19試合に登板して4勝3敗、防御率2.19と安定した成績を残している。
たくましい体格から投げ込むストレートはコンスタントに150キロを超え、140キロ前後のフォークも鋭い落差がある。篠原と同様に2月には侍ジャパンのサポートメンバーに選ばれ、28日の中日戦では2回を無安打、1奪三振で無失点と好投した。チームメイトで同じ左腕の宮城大弥と曽谷龍平がWBCに出場する影響もあり、開幕当初はチャンスが巡ってくる可能性が高い。その間にローテーション入りを狙いたい。
[1/2ページ]


