「恐怖心を閣僚に植え付ける目的が…」 高市首相の“高圧的”な言動の理由を旧知の元議員が分析

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“私に恥をかかせるな”

 ところが、実際には立憲への声かけはなかったことが答弁後に発覚してしまう。

「虚偽答弁だと野党から迫られた高市氏は“他党にお声がけをしたことで誤認した”と、発言内容を訂正しました。実際のところ、自民は中道の政調会長にしか声をかけておらず、これに立憲は参院軽視だと怒り心頭。国民会議の実務を担う自民の政策責任者と、高市さんの間でコミュニケーションが取れていないことが露呈したのです」(前出のデスク)

 自民の政策責任者とは、“コバホーク”こと小林鷹之政調会長(51)だった。

「国民会議は、スケジュールや具体的に誰を呼ぶのかといった人選も含めて、ドタバタで決まった印象が強いですね。実際、小林氏が自ら携帯で関係者に連絡を取って参加の可否を尋ねていました。与党の維新さえ会議の前日に開催を告げられて焦ったそうです」(同)

 高市氏からすれば、部下の不手際の尻ぬぐいをさせられてしまったことになる。

 だからというわけではなかろうが、高市氏は閣僚に対して厳しい姿勢で接していることを国会で明かした。

 国民会議初会合の翌日にあった衆院予算委員会で、野党から今月中旬に行われる日米首脳会談の見通しについて問われた高市氏は、

「私がトランプ大統領と堂々と渡り合えるように働いてくるのが、赤澤大臣の仕事だ」

 と述べた後、閣僚席に座る赤澤亮正経済産業相(65)の方を振り返りながら、こう言い放った。

「“私に恥をかかせるな”と言ったよね。というふうに申し渡しましたので、この間から、彼は一生懸命ラトニックさん(米商務長官)と交渉してくれています」

 あくまで高市氏は、笑みを浮かべて冗談めかした口調ではあったが、SNS上では“目が笑っていない”“パワハラ上司では”などと物議を醸した。

 学生時代、高市氏はバンド活動でドラムをたたき、バイクやスポーツカーの運転に没頭するなど、やんちゃに遊び回っていた過去を持つ。そんな“姉御肌”の一面が、思わず国会答弁であらわになってしまったのか。

「サッチャー流のやり方をまねようとしているのだと思った」

「赤澤さんに対して、かなり強い言葉で発言した意図は、イギリスのマーガレット・サッチャー元首相のように“仕事をしない人は交代させる”という恐怖心を、閣僚に植え付ける目的があったのでは」

 そう話すのは、松下政経塾2期生で、高市氏の3年先輩だった元衆院議員の嶋聡氏(67)だ。

「ああいう言い方をすれば、世間から反感を買うことは高市さんも分かっていたはず。それでも件の発言を公にすることで、自分の指示を守らなければ“私に恥をかかせた”と閣僚に言える環境が整ったわけです。責任の所在がハッキリしましたし、実行責任者としての立場を見せつけることもできます。政権発足直後、高市さんは赤澤さんのみならず、全閣僚へ指示書を出しました。それを聞いた瞬間に、私は“ああ、これはサッチャーさんから学んだな”と思いましたね」(同)

 どういうことか。実は嶋氏は、高市氏が憧れの政治家だと公言するサッチャー氏と直接対面したことがある。その場には、若き高市氏も同席していたという。

「私と高市さんが初めてサッチャーさんに会ったのは、1997年7月の東京国際フォーラムで開かれたシンポジウムでした。サッチャーさん自身が“若手の政治家と話したい”という希望を持っていたことから、松下政経塾のメンバーにも声がかかったのです」(同)

 当時の高市氏は30代半ばで、衆院2期目。新進党から自民へ鞍替えを果たしたばかりの頃だった。

「そのシンポジウムで初めて知ったのが『ポリシーユニット』という言葉でした。サッチャーさんは、政策ごとに進捗を管理する『ポリシーユニット』と呼ばれるチームを組織していました。このユニットを通して政策の進み具合を確認。十分な成果を上げられない閣僚は交代させられることで知られていました。だから、高市さんが赤澤さんに対して厳しい物言いをした時、サッチャー流のやり方をまねようとしているのだと思ったのです」(同)

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