【ばけばけ】小泉八雲は超子煩悩だったのに…「セツ」が子育てで苦労した面倒な原因
「アカンボウ」に大はしゃぎのヘブン
視聴者はハラハラさせられた。NHK連続テレビ小説『ばけばけ』の第22週「アタラシ、ノ、ジンセイ。」(3月2日~6日放送)。
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イライザ・ベルズランド(シャーロット・ケイト・フォックス)から手紙で、「『日本滞在記』の次は『フィリピン滞在記』を書かないか、という依頼がきている」と伝えられ、レフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)は心を動かされた。一方、妻の松野トキ(髙石あかり)は体調がすぐれず、病院で診察されて「おめでた」だとわかった。だが、ヘブンがフィリピン行きを検討していると知ったトキは、妊娠を報告できない。
そんなこととは知らないヘブンは、トキを誘って散歩に行き、「ワタシ、キメル、シマシタ」と伝えようとする。それを聞いたトキが倒れてしまうので、ヘブンは慌てて彼女を背負い、病院に行こうとするが、トキは「すでに行った」という。ということは……「アカンボウ?」。その問いにトキが小さくうなずくと、ヘブンは興奮して「ヤッタ、ヤッタ!!」大声を上げた。そして「フィリピン、イカナイ、ニホンイマス、ズットイマス」と告げたのだった。
話が丸く収まるまで、視聴者に気を揉ませたまま引っ張りすぎじゃないか、と文句もいいたくなったが、それはともかく、2人はたがいに「I want to be with you.」と言い合い、半年後に無事、男の子が生まれた。こうして、第23週「ゴブサタ、ニシコオリサン。」(3月9日~13日)からは、子どもが加わった家族模様が描かれることになる。
ヘブンのモデルのラフカディオ・ハーンも、早くに母親と生き別れ、父親の愛情も注がれずに育っただけに、家族への思い入れには並々ならぬものがあった。
父親ハーンの心配とよろこび
とにかく、ハーンは子どもが好きだったようで、トキのモデルの小泉セツが、ハーンの死後に口述した内容が記録された『思ひ出の記』には、「長男が生まれる前に子供が愛らしいというので、子供を借りて宅においていた事もありました」と書かれている。続いて、出産の前後の様子についても、次のように記されている。
「長男が生まれようとする時には大層な心配と喜びでございました。私に難儀させて気の毒だという事と、無事に生まれて下さいという事を幾度も申しました。こんな時には勉強しているのが一番よいと申しまして、離れ座敷で書いていました。初めてうぶ声を聞いた時には、何ともいえない一種妙な心持がしたそうです。その心持は一生になかったといっていました。赤ん坊と初対面の時には全く無言で、ウンともスンともいわないのです。後に、この時には息がなかったと申しました。よくこの時の事を思い出して申しました」
「それから非常に可愛がりました。その翌年独りで横浜に参りまして(中略)いろいろのおもちゃをたくさん買って大喜びで帰りました。五円十円という高価の物を思い切ってたくさん買って参りましたので一同驚きました」
尋常ならざる子煩悩だった様子が伝わる。『ばけばけ』では2人の長男は、ヘブンの苗字の「レフカダ」とトキの祖父の勘右衛門(小日向文世)から1字ずつとって、「勘太」と名づけられる。一方、明治26(1893)年11月17日に生まれたヘブンとトキの長男は、「ラフカディオ」から「カディオ」をとって「カズオ(一雄)」と名づけられた。
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