フジ、4月に「危険な」大改編 「めざまし」拡大は“ジリ貧”の一途か それでも、まだ残る“希望の光”

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日枝色一掃がカギ

 そもそもフジは鈴木克明氏のような優秀な人材をどうして手放してしまったのか。それも低迷の理由だ。他局社員からも「社長間違いなし」と言われていた人だが、専務止まりで、系列局に出てしまった。フジ関係者に聞くと、昨年まで約30年も同局に君臨した日枝久元会長(88)に堂々と物を言い、嫌われたからだという。

 日枝氏の色、発想を社内から完全に払拭しないと、フジの再浮上はないだろう。その発想とは好き嫌いで決めているとしか思えない人事、組織批判を受け入れようとしないところなどである。凋落していったほかの昭和型企業の体質と通じる。

 批判記事も大嫌い。不振期なのだから誉められるほうが不自然なのだが、他局がやらない奇手を使ってでも評価されようとする。社内外からの批判に耳を塞ぐ組織が変われるはずがない。

 その一方で希望もある。「古畑任三郎」(2006年)や「HERO」(2001年)など数々のヒット作をつくった石原隆氏(65)が昨年、系列制作会社・共同テレビの社長に就任したことである。

 石原氏も日枝支配期にフジ本体から外された。ドラマとは無縁の系列会社に行かされた。日枝支配のままだったら、共テレの社長就任はなかっただろう。

 やはり昨年からフジの編成と制作を統括する鈴木吉弘執行役員(57)も「ガリレオ」(2007年)などを制作したヒットメーカー。石原氏とは師弟関係にある。鈴木氏は日枝氏直系の上司と衝突し、1度は退社した人。惜しいと思った石原氏が会社に掛け合い、復社させた。

 日枝支配下で1度はドロップアウトさせられた石原氏と鈴木氏。2人やほかの優秀な人材が存分に力を発揮できる組織に変身したら、フジは復活できるに違いない。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。1990年にスポーツニッポン新聞社に入社し、放送担当記者、専門委員。2015年に毎日新聞出版社に入社し、サンデー毎日編集次長。2019年に独立。前放送批評懇談会出版編集委員。

デイリー新潮編集部

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