フジ、4月に「危険な」大改編 「めざまし」拡大は“ジリ貧”の一途か それでも、まだ残る“希望の光”
危険な改編
フジの賭けである4月改編での一番大きな変化は平日午前帯の情報番組「サン! シャイン」(平日午前8時14分~9時50分)が終了すること。後続の新番組はなく、代わりに早朝帯の情報番組「めざましテレビ」(平日午前5時25分~8時14分)を午前9時まで拡大する。同番組は実に約3時間半の長時間となる。午前9時以降は、現在午前9時50分から放送している生活情報番組「ノンストップ!」を前倒にして放送する。
ここまで広げるほど「めざましテレビ」は強いのかというと、確かに2014年までは無敵だった。同番組のメインである第2部(午前6時10~8時)は年間平均世帯視聴率が、6年連続で同時間帯のトップ。2018年度にも第2部がトップを獲った。フジの虎の子のような番組だった。
もっとも最近は様相が異なる。早朝帯情報番組の2月27日の個人視聴率を見てみたい。各番組のメイン時間帯で比較すると、トップはテレビ朝日「グッド!モーニング」(午前7時台)の5.0%。2位は日本テレビ「ZIP!」(午前6時54分以降)の4.5%。フジテレビ「めざましテレビ」(第2部)は4.2%で3位だった。4位はTBS「THE TIME,」(午前7時台)の2.6%。この視聴率と順位は連日そう大きくは違わない。「めざましテレビ」はかつてほど強くないのだ。
1994年に始まった「めざましテレビ」は、遊び心に満ちた「めざましじゃんけん」などを採り入れ、さらにエンタメ情報をふんだんに流した。それまでの早朝帯情報番組は出勤時のサラリーマン向けだったから、画期的だった。
フジは早朝帯が長年の弱点だったが、「めざましテレビ」はジリジリと視聴率を上げ、トップグループに入った。特に早朝帯情報番組のターゲットから外されていた10代や女性の人気は絶大だった。この番組を開発したのは報道番組部の大エースだった鈴木克明氏(67)。現在はSTARTO ENTERTAINMENTの代表である。
しかし、他局にヒット番組が生まれると、真似るのが民放の常。他局も早朝帯情報番組に遊び心やエンタメ情報の紹介を採り入れた。このため、「めざましテレビ」は王座を保てなくなった。今は再浮上を狙う時期である。
そんな番組を拡大し、はたして他局に勝てるのだろうか。早朝帯情報番組と午前帯情報番組では特性が異なるのだ。第一、終了する「サン! シャイン」の成績はそう悪くはないのである。
同番組の個人視聴率は2.5%前後であり、平日午前帯の番組で3位。トップのテレ朝「羽鳥慎一モーニングショー」(平日午前8時)は5%以上だが、2位の日テレ「DayDay.」(同午前9時)は3%程度なのでそう差はない。TBS「ラヴィット!」(同8時)は2%以下だから、かなり上回っている。「サン! シャイン」は始まってから、まだ1年。リニューアル程度で十分だったのではないか。
「サン! シャイン」終了と「めざましテレビ」拡大の背景にはおそらく制作費削減の意図がある。新番組をつくらず、既存番組の拡大なら、人件費や機材費、美術費などの大幅な節約になる。フジの昨年度の制作費は約710億円。TBSは973億円だから、200億円以上も差があるのだ。視聴率が振るわないので、新年度はもっと差が開くのは確実である。
フジは平日午前帯をあまり重視していないように見えてしまうが、帯番組はオセロゲームの4角のようなもの。これを押さえないと他局には絶対に勝てない。なぜかというと、帯番組が各視聴者のホームポジションとなり、そのチャンネルを中心に番組選びをするからだ。
たとえばフジの第1期黄金時代(1982年~93年)には、昼の帯番組「笑っていいとも!」(1982~2014年)や平日夕方の帯ニュース番組「FNNスーパータイム」(1984~1997年)が滅法強かった。
現在の2強のうち、テレ朝は「羽鳥慎一モーニングショー」と「大下容子ワイド!スクランブル」(平日午前10時25分)が他局を引き離してトップ。日テレは「news every.」(平日午後3時50分)がトップなのだ。
一方、フジの午後の帯番組は全部弱い。「ぽかぽか」(平日午前11時50分)が4位、関西テレビ(大阪)制作の「旬感LIVE とれたてっ!」(同午後1時50分)は5位、「Live News イット!」(平日午後3時45分)は4位。これでは勝てない。
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