「M-1」審査員を「もちろん受ける」 粗品、進化する“審査スタイル”とお笑いへの強烈な自負

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「ytv漫才新人賞決定戦」審査員

 3月1日に読売テレビで放送された若手漫才コンテスト「第15回ytv漫才新人賞決定戦」は、オンエア前からお笑い好きの間では注目されていた。昨年に続いて、霜降り明星の粗品が審査員に名を連ねていたからだ。【ラリー遠田/お笑い評論家】

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 コンビとして「M-1グランプリ」を制し、ピン芸人として「R-1グランプリ」(当時の表記は「R-1ぐらんぷり」)でも優勝を果たした実績を持つ粗品は、言わずと知れた実力派芸人であり、お笑いシーンを牽引する存在である。テレビ、ラジオ、ライブ、YouTubeなどあらゆる媒体で精力的に活動を続けていて、その一挙手一投足が世間から注目されている。

 そんな彼は最近、プレーヤーとして活躍するだけではなく、お笑いコンテストの審査員としても存在感を示している。

 粗品が審査員として強烈な印象を残したのは、2025年の「ytv漫才新人賞決定戦」だった。メジャーなお笑いコンテストで初めて審査員を務めた粗品は、初審査とは思えないほど鋭い審査コメントを連発した。

 出場者のネタの笑いの構造を分析して、どこが良くてどこが悪かったのか、具体的に言語化してみせた。印象論に逃げず、「どこが面白くなかったのか」「なぜ伝わらなかったのか」を明確に説明する姿勢は、多くのお笑い関係者やお笑いファンをうならせた。

 ほかの審査員に比べると点数は低めだったが、基準が一貫していたためにそのことで批判されることもほとんどなかった。さらに、大会終了後には自身のYouTubeで1時間以上にわたって全組について講評を行い、審査員という職務に対する誠実さを見せた。

 続いて粗品は昨年末の「女芸人No.1決定戦 THE W」(日本テレビ系)にも審査員として抜擢された。こちらは「ytv漫才新人賞決定戦」と違って全国ネットのゴールデン番組だったため、さらに大きい反響を巻き起こした。

 もともと「THE W」は、女性芸人限定の大会という構造上、審査コメントがやや無難に収まりがちだという課題を抱えていた。そこに粗品が加わって、厳しく率直なコメントを残したことで、番組の空気が一変した。的確ではあるが容赦のない指摘、改善点まで踏み込む語り口、そして時間を惜しまない熱量。評価する声がある一方で、「長すぎる」「厳しすぎる」という反発の声もあり、物議を醸した。

 ただ、結果的に「THE W」という大会にはかつてない注目が集まることになった。

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