「M-1」審査員を「もちろん受ける」 粗品、進化する“審査スタイル”とお笑いへの強烈な自負
簡潔に必要な言葉だけ
今回の「ytv漫才新人賞決定戦」では、そんな粗品が明らかにチューニングを変えていた。コメントの鋭さはそのままだったが、分量がやや短くなり、要点を的確に射抜くスタイルに進化していた。
あえて長々と語ってみせることで場を制圧するようなやり方を捨てて、簡潔に必要な言葉だけを置いていくような形になっていた。その結果、審査員としての安定感が増していた。
恐らく、過去二回の審査員経験によって、粗品は審査員としての「自己紹介」は済んだと考えたのだろう。彼には突出したセルフプロデュース能力がある。最初の2回では、長々とまくしたてるように審査コメントをする人物として自分を十分に印象付けた。
インパクトを残して人々の注目を集めたところで、少しだけ方針を切り替えて、コメントを短めにまとめた。番組全体の流れを考えて押し引きを調整できることを示したのだ。
審査員としての実績を重ねている粗品には「M-1」の審査員になることを望む声もある。本人もオファーが来たら「もちろん受ける」と語っていた。彼の言葉を借りるなら、審査員の仕事は「やりたい」というより「やってあげたい」。最先端の笑いを理解できていない年配の審査員も多いので、自分がやった方が出場者のためになると考えているのだという。
今回の「ytv漫才新人賞決定戦」で見えたのは、粗品が単なる話題性を求める段階を超えて、影響力をどう持続させるかというモードに入っていることだ。コンテストの価値を守りつつ、自身のブランドも高める。そのバランス感覚こそが彼のさらなる進化の核心である。
粗品はいまやお笑いシーンの風雲児という段階を超えて、シーンそのものを更新する段階に入っているのかもしれない。
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