WBCで「投手・大谷」を阻む“保険問題”のカゲ…相次ぐ“MLBスター選手”出場辞退に「次回大会に30代半ばの大谷が出場できるのか」不安視する声も
高額年俸の選手が…
「前回大会を視聴したメジャーリーガーもたくさんいました。決勝戦で大谷と当時チームメイトだったマイク・トラウト(34)の一騎打ちが実現し、それに感銘を受けて、『WBCに出たい』と話す選手も増えた。それもメジャーリーグ各球団の主力選手が出場に名乗りを挙げるようになりました」(米国人ライター)
保険の掛け金が跳ね上がった理由に、高額年俸の大物選手の出場も影響しているという。
WBCIは各国の代表候補となったメジャーリーガー個々に掛け金の上限を決め、それをオーバーした選手には出場NGを通達した。プエルトリコ代表チームで主将役も予定されていたメッツのフランシスコ・リンドーア(32)、アストロズのカルロス・コレア(31))、ベネズエラ代表入りを目指していたフィリーズの剛腕リリーバー、ホセ・アルバラード(30)が出場できなかったのはそのためで、大谷の二刀流出場が叶わなかったのも「投手出場時の掛け金」が上振れしたからとされる。
保険の掛け金が出場の足かせとならないようにするには、サッカーのワールドカップのように、もっと大きな収益をもたらす大会規模に発展させなければならない。
また、前回大会はアメリカの民間テレビネットワーク・FOXテレビでも中継されている。同社はアメリカの主要都市での視聴が可能で、アメリカ代表チームの試合を中心に放送したそうだが、日本との決勝戦の平均視聴者数は実に500万人。最高で「700万人が観た」とも言われている。
「前回大会が、WBCが認知されるきっかけになったと見る声も少なくありません。米国で3月中旬から下旬の人気スポーツ中継といえば大学のバスケットボール大会です。メジャーがオープン戦をやっていてもかないません。前回大会の売上げが約150億円なのに対し、WBCIは今大会で300億円以上を見込んでいます。強気に売上げの倍増を狙っているのはFOXテレビでの中継の反響があったからです。WBCIは日本が最大の収入源であること、日本のファンが育てた大会であることを認めつつも、放映権とスポンサー料が頭打ちなのでNetflix社の独占配信に切り替えたんです。正式な発表はありませんが、前回大会までの日本の国内放送権料は30億円。Netflix社は約150億円と伝えられました」(前出・同)
この平均500万人とされるテレビ視聴者数は、地方都市を本拠地とする球団同士のワールドシリーズにも匹敵する。WBCIが前大会から2倍の収益増を目指す根拠はそれにあるが、メジャーリーグ30球団のオーナーたちは別の見方をしているそうだ。
「300億円の数値が達成されたとしても、『物足りない』と捉えるでしょう。WBCを開催するとき、メジャーリーグ機構は世界規模での市場拡大を目指し、後々、必ず大きな収益になるから協力してくれとオーナー陣を口説きました」(現地記者)
WBCの収益はドジャースの贅沢税と同じ?
乱暴な比較かもしれないが、昨季のドジャースのチーム総年俸は4億1734万1608ドル(約658億円)。ドジャースがメジャーリーグ機構に支払った贅沢税は1億6973万5768ドル(約267億200万円)。
収益倍増であっても、ドジャースが納める贅沢税と大差がないというわけだ。また、大会に派遣する人気選手は球団の財産であり、彼らのシーズン中の活躍が球団の価値を高めている。その貴重な財産を貸し出し、怪我のリスクを負わせるのは、それだけでオーナーにとって“大損失”なのである。
「投手は保険の掛け金が上振れします。NFPは故障歴も重視しましたが、30代の選手の審査にも厳しかったと聞いています」(前出・同)
次回大会、大谷は30代半ばとなる。それでもドジャースの主力選手として活躍しているはずだが、保険の掛け金は大幅に跳ね上がるだろう。WBCIが出場候補の選手個々に設けた上限額を超える可能性は否定できない。




