「慶應大にほぼ入学保証」のアメリカ高校留学に3年間で3000万円 息子のために貯金の半分を投じたサラリーマンが見た「円安地獄」

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寮は相部屋で「冷房なし」

 Aさんが息子の高校進学を真剣に検討し始めたのは2022年12月頃で、当時の円相場は135円。初年度にかかる6万3000ドルは円に換算すると約850万円だった。Aさんの年収は1000万円を超えているが、稼ぎの大半が学費で消える、とてつもない出費だ。だが、Aさんは決断する。

「まだ50代前半だったので、再雇用期間を含めれば10年余りは働ける。妻は専業主婦ですが、夫婦ともに浪費しないタイプなので、自分たちの老後はなんとでもなる。一方、息子の人生を考えると残してやれるのは教育ではないかと」

 何よりも決断を押したのが、息子本人の希望だった。選択肢として提示すると、ノリノリで「大学受験はイヤなので行く」と答えたのだ。その口ぶりは、奇しくも父親が味わったトラウマを避けたいと言わんばかりだった。

 いざ受験させると晴れて合格。入学前、渡米して息子と一緒に視察しに行った。

「寮を見てびっくりしたのは、これだけ高い寮費を取られるのに2人部屋だったところ。うなぎの寝床みたいに狭いし、風呂なしでシャワーのみ。しかも冷房が付いていないので夏場はとても過ごせた環境ではない。それもあって、6月から9月の間は夏季休暇で日本に一時帰国するのです」

急激な円安で…

 入学させてからボディーブローのように効いてきたのがこの一時帰国だ。

「渡航費だけで往復40万円以上かかる。子供だからLCC(格安航空会社)でいいと思われるかもしれませんが、東京―ニューヨーク間はLCCの直行便がないので節約しようがないのです。冬休みも加えると一時帰国は年2回。予定が決まるや、チケット代が値上がりする前にさっさと飛行機を抑えるようにしていました」

 だが、時間の経過とともにそのような努力も虚しくなってきた。急速に「円安」が進み、毎年支払う授業料・寮費が想定外に重くのしかかるようになってきたからだ。

「23年夏頃に初年度の学費を支払った時には、半年前、受験を考え始めた頃より9円も円安ドル高になって144円に達していた。当初の想定より50万円余り高い。その後も円安傾向に歯止めがかからず、結局、諸々合わせると3年間で3000万円を超えました。当初の想定より300万円くらい高くなってしまいました」

 後編【サラリーマンが息子を「慶應大にほぼ入学保証」のアメリカ高校に留学させたら、学友は「ビジネスクラスで帰国」「ウーバーイーツを注文」のセレブ子息だらけだった】では、円安など意にも介さないほどの財力を持った「セレブ親たち」の実態について伝えている。

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