みずほFG「5000人削減」の衝撃 企業に必要な人間は「トップと役員、少数の営業担当ぐらい」…AIの爆発的な進化がもたらす「人類総“無職”時代」のリアルを気鋭の経済学者が解説

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ベーシックインカムの必要性

「多くの産業で徹底した無人化が実現すると、ロボットがロボットを作り、そのようにして増殖したロボットが自動的にどんどんモノを作り出すといった理由から、生産性は爆発的に向上します。結果として生産過剰になると考えられ、モノあまりによる経済のデフレ化が進んで物価は下落することになるでしょう。企業は人件費が必要なくなるので、資本の蓄積が過度に進みます。人類は基本的に無職ですから、各国政府が無為無策だと世界は貧しい人で溢れることになります。一方、各国が企業などに対して適切な課税を行い、ベーシックインカムとして再分配するとなると話は違ってきます」(同・井上准教授)

 AIは人類の労働を代行し、人類はAIの上前をはねて遊んで暮らす──極端な表現だが、こんな“ユートピア”が到来する可能性も充分にあるという。

「世界史を振り返ると、『労働を倫理的に強いられる社会』は近代に誕生したことが分かります。近代は『国家は領土を拡張することで成長を実現する』という時代であり、覇権主義と帝国主義を背景に戦争を繰り返しました。戦争に勝つため国家は国民に勤労を要求し、特にヨーロッパの主要国では『働かない国民』に厳しい罰を与えたことさえあったのです。しかし労働こそが人間のアイデンティティを形成するという考えは、歴史的に見ればなんら普遍性がありません」(同・井上准教授)

“人類総無職時代”を生きる

 中世や古代に遡れば、労働が美徳や義務ではなかった時代は珍しくない。

「AI失業が現実のものとなれば、従来の『人間は働く必要がある。働かなければならない』という価値観を持っている人には辛い社会が到来することになります。しかし古代ギリシアや古代ローマの上層市民は生産的な労働には従事せずに、政治活動や哲学に専念していました。私たちは『人類にとって本当のアイデンティティとは何か』と人間観を根源的に見直しながら、“人類総無職時代”を幸福に生きる社会を実現する責務があるのです」(同・井上准教授)

 ではAIそのものは、これからの未来をどう考えているのか、第1回【AI失業について「ChatGPT」に質問すると…日本では4年後までに“700万人が失業”と衝撃回答 “消滅危機”と名指しされた“さむらい業”の具体名とは】では、AIのChatGPTに「AI失業が起きた未来」の予測を依頼してみると、表示された衝撃の結果について詳細に報じている──。

デイリー新潮編集部

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