福岡移住10年で「10倍幸せ」波田陽区の現在 「今も営業できている」仕事ゼロの再出発を支えた恩人たち
「ちょっと売れ出したぞ」そっくりさんにあやかって
――福岡の仕事はどのくらいから好転したんでしょうか。
波田:たまにテレビやラジオに呼んでいただいたんですが、週1回とか2回で。ギリギリの生活でした。ただ、そんな時にリオ五輪で卓球の水谷隼選手が日本人として初めてシングルスで銅メダルを獲ったんです。するとSNSで「水谷選手、波田陽区に似てる」とブワーッと広まって。水谷選手もそうした声にリアクションをしてくれていたんです。
リオ五輪のメダリストの中でも、水谷さんはマスコミにすごく取り上げられた影響で、スポーツ新聞では水谷さんと一緒に僕の顔を並べていたり、ワイドショーでも「水谷選手が波田陽区に似ていると話題になってます」と取り上げてくれたんです。
すると事務所のスタッフから「波田、お前、なんかちょっと売れ出したぞ」と電話がかかってきて。どうやら、水谷さんがメダルを獲った翌日からオファーが急に増え出したみたいで「どんな仕事ですか?」と聞き返したら、「水谷選手の偽物の仕事が増えた」って(笑)。
営業先で「今日は水谷選手のそっくりさん来てます!」って出ていったら大盛り上がりで。ギター侍ブームの頃に1日5、6件の仕事していましたけど、水谷さんのときもそれに近いぐらいに忙しくなりましたね。NHKの夜のニュースでも「SNSの影響力」という特集で取り上げてもらって超ラッキーでした。営業も含めて1年ぐらいは水谷さんのおかげで仕事がありました。
――水谷さんには直接感謝を伝えたんですか。
波田:東京の仕事で共演する機会があったんですが、水谷さんが本物のユニフォームを2セット用意してくださっていて。「波田さんを通して卓球に興味を持つ方もいらっしゃると思うので、これを着てどんどん好きにやってください」と言っていただきました。
水谷さんは今もテレビなどで活躍されているので、今でも営業で「どうも水谷隼です」といったらウケます。水谷さんのおかげで今も営業ができていると言っても過言じゃないですね。
一発屋芸人は出づらい時代かも
――ダンディ坂野さん、ムーディ勝山さん、など一発屋芸人で集まって「一発屋会」という組合でテレビに出ることもありますね。
波田:去年も2〜3回は“組合”でテレビに呼ばれました。20年くらい前は一発屋芸人がいっぱい出ていましたね。逆に今は全然いないですよね。若手の芸人はいっぱい勉強をして、一発屋にならないようにしている。
それにテレビだけの時代じゃなく、YouTubeでゲーム実況のスター、TikTokでメイクのスターとスターが細かくいっぱいいる。逆に一発屋芸人ってもうなかなか出づらい時代なのかもしれないですよね。僕の子供もテレビでなく、YouTubeばかり見ていますし。
――「流行語大賞」で取り上げられると一発屋で終わるというジンクスもあります。昨年はひょうろくさんが「ひょうろく」としてノミネートされましたが、一発屋で終わると思いますか?
波田:たしかに僕も流行語大賞には「残念!」でトップ10に入りましたね。ただ、ひょうろくは残ると思いますよ。我々、一発屋芸人は「こいつは一発屋だな」という匂いを嗅ぎ分けられるんですけど、ひょうろくはそんな感じしない。ちょっと異質なキャラでこれからも活躍すると思います。
――「流行語大賞」でいえば、林修さんの決め台詞「いつやるか? 今でしょ!」が今は波田さんのものになったと聞きました。
波田:そうなんですよ。ぜひ記事でも太字で書いておいてください(笑)。林先生が大阪の番組で福岡の事務所に来られた際に「あんた、ギャグやらないならくれよ」って、カメラが回ってる前で言ったんですよ。そうしたら林さんが「どうぞどうぞ、使わないんで」と言ってくれて。
カメラの前のノリかなとも思ったんですが、改めて別の福岡の番組で、林さんのマネージャーに確認したら「もし波田さんの仕事に役立てるなら、ぜひ使ってくださいとうちの林が言ってます」と言ってくださったので「今でしょ!」は僕のものです(笑)
だから2026年は「今でしょ!」で仕事を増やしたいですね。「ゲッツの法則」というのがあるんですよ。
――どんな法則ですか?
波田:まず、ポジティブな言葉が良いらしいんです。15秒のCMで使う時に「ゲッツ!」だと2秒で終わるし、ポジティブな言葉だから広告で使いやすい。逆に「残念!」って4、5秒は必要だし、ネガティブだから広告業界としては、ちょっと敬遠されがちなんです。でも「今でしょ!」は3秒以内に入るし、ポジティブなので、これでCMに今年は出たいです。
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