「長かったな、カミサンと両親にすぐ電話してやれ」 天才「立川談志」、毒舌家だからこそ涙を誘う“弟子への褒め言葉”
「殺しはしませんから」
立川志らくはヨネスケのYouTube「自宅に突撃」に出演した際、談志に叱られたエピソードを披露している。
自宅の掃除が終わって所在なくしていたら、談志に「帰ってもいいぞ」と言われ、帰ろうとしたら怒られた。それが衝撃だった。談志曰く、
「帰ってもいいってことは、いてもいいってことだ。つまりお前は俺といるのを嫌がった。だからもう来なくていい。帰れと言われれば帰るけど、帰ってもいいぞ(は違う)。お前は今、暇そうにしている。やることないんだ。帰ってもいい。(でも)何かやることを探せ」
「それを談志は試すわけです」と志らく。
褒められたのは2回。タメになった言葉は「(何か好きなことがあったら)オーソリティになれ」。
師弟ともに懐メロ好きだが、志らくは師匠以上にのめり込んだ。映画好きも一緒だったが、志らくがハマったのは「男はつらいよ」。何十回も観て第50作「お帰り寅さん」に出演し、著書『決定版 寅さんの金言 現代に響く名言集』(ART NEXT)も出版した。この時には寅さんとマドンナの話などをインタビューさせていただいた。
毒舌家でならした談志の名言、苦言は数々ある。グサッと来るのはこんな言葉か(「天才論 立川談志の凄み」から)。立川流に入門するには両親揃って面接を受ける。談慶が親子そろって面談した時はこう言われた。
「殺しはしませんから」
立川流で二つ目、真打ちとして認めてもらうには歌舞音曲の習得が必須。談慶は二つ目昇進まで9年半かかった。「釣鐘弁慶」を踊って「合格だ」と言われた時には、こう続けた。
「長かったな。カミサンと両親にすぐ電話してやれ」
「気づかれないように、声を殺して泣きました」と談慶。まさにハートウォーマーなエピソードだ。
若い人に希望を
ラストは超越した存在であることを物語るこんな至言を。
談慶が昨年『人生は「割り勘」思考でうまくいく』(かんき出版)を上梓した際に「生きるクスリ」というテーマでインタビューした際のエピソードから。談志は11年に75歳で死去したが、その年まで輝き続けたのに、老害とはいわれなかったのは、若い人に希望を持っていたからだという。
「例えば象徴的なのはキリストの話。キリストはパソコンを扱えなかったけど、後からやってきた今の人は扱えるじゃないかと言っていた。つまり後からやってきた人間の方がすごいと言いたかったわけです。そういうメンタリティを持っていると老害にならない」
談志はキリストをすら喝破していたのかも。
お粗末すぎる一席ということで……。
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