「夜の会合を3連チャン」「失言した閣僚を2時間で更迭」 安倍政権が内部崩壊しなかった理由と、高市首相に足りないモノ

国内 政治

  • ブックマーク

【前後編の後編/前編からの続き】

 衆院選で歴史的勝利を成し遂げた高市早苗首相(64)。長期政権も夢ではないが、その内情を探ってみると、党内に意外な不協和音が……。

 ***

 前編では、誰も高市首相にモノ申せないという官邸内の空気や、安倍元首相のブレーンが指摘する高市首相との共通点などについて報じた。

 振り返れば、第2次以降で安倍政権は変貌を遂げたとして、第2次安倍政権で官房副長官補を務めた兼原信克氏が語る。

「しょっちゅう安倍さんはいろいろな人と会い、電話をかけ意見を聞いていた。夜の会合も3連チャンこなしたことがあった。そうして得た話を頭の中に入れ大きな方針を打ち出していたわけですが、もちろん一人ではできません。閣僚や役人をまとめて大きな“軍団”をつくっていたわけです」

 当時の官邸内で「チーム安倍」と称された“軍団”の実態について、安倍氏と親交が深かった元NHK記者でジャーナリストの岩田明子氏が解説する。

「第1次政権では1年で官邸が崩壊してしまった反省を踏まえて、安倍さんは第2次政権で人事に相当な気を使っていました。菅義偉官房長官や総理秘書官などを官邸経験者でそろえて、党重鎮の麻生さんや甘利明さんなどを要職に就けた。党内でも谷垣禎一幹事長や二階俊博幹事長がよく働いて、高村正彦副総裁、大島理森衆院議長など、見識のある方々が安倍さんを支えていました」

失言から2時間で更迭

“官邸崩壊”を防ぐすべとして、「正副会議」も開かれたという。

「安倍さんは、官房長官、官房副長官、総理秘書官が一堂に会してディスカッションをする場を、1日2回必ずつくった。第2次政権では、昨年末に亡くなった警察官僚出身の杉田和博さんが事務方の官房副長官として各省庁を掌握していた。どの役所も“杉田さんが言うなら”と一目置いていました。また経産省出身の今井尚哉政務秘書官は、安倍さんの体調管理を担うとともに、『カレンダー政治』を得意としていました。10年後にどのような日本をつくるのか。では5年後、3年後にはどのような政策や法案を通せばいいのか逆算して、安倍さんにさまざまな助言をしていたのです」

 こうした面々が安倍政権をスキャンダルから救ったこともあったという。

 政治ジャーナリストの青山和弘氏によれば、

「2017年4月に今村雅弘復興大臣が派閥パーティーで、東日本大震災は“まだ東北の方だったからよかった”という失言をしたのですが、安倍官邸の動きは早かった。パーティーの最中に今村大臣は官邸から電話で更迭を告げられる。もう顔面蒼白ですよ。更迭されるまで2時間くらいだった。情報を察知した菅官房長官、今井秘書官などの官邸チームが、すぐに安倍さんと協議して、即更迭が決断されたわけです」

 このような一連の危機管理ができることも長期政権には必須の条件だという。

「危機というのは、もちろん災害や北朝鮮のミサイルなど多種多様ですが、何より閣僚などのスキャンダル対応を誤ると、あっという間に政権は傾きます」(同)

次ページ:「人の意見を聞かず我流で振る舞ってしまうタイプ」

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。