落としどころは「再逮捕の末の“取引”、解散」か 年間収益は数十億円!風俗スカウトグループ「ナチュラル」トップ捜査の行方

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「大企業」となったナチュラル

 ここで改めて、ナチュラルの現役メンバーらを通じてその驚くべき実態をつまびらかにした『捕食 欲望をカネに変えるトクリュウ型犯罪集団「ナチュラル」の闇』(清水將裕、日本橋グループ*著)の内容から、組織のあらましを簡単に紹介しておこう。

・暴力団との共存共栄をうたいながら巨額の資金獲得活動(スカウトバック)を行っている。暴力団側には多額の現金を支払うなどの便宜を供与。法人登記はされていないが、総務課、プロ課などの部署や細則やマニュアルが多数存在し、会社組織のような体裁を取っている。小畑容疑者は会長と呼ばれている。“社員”になったメンバーには早慶MARCH出身者もおり、月に300万円ほど稼ぐ者もいる。

・徹底した警察対策を講じる秘密結社的側面を持ち、警察の取り締まりを回避すべく、数千万円かけて開発した秘匿性の高い闇アプリを用いてメンバーらは本名ではなく源氏名などでやり取りしている。

・風俗の店舗側もナチュラルなしには女性の獲得がままならない状況となっており、一説には、国内のその種の店の約20%がナチュラルと取引しているとされる。年間収益は少なくとも50億円。

・組織への裏切りや規約違反にはリンチなど厳しい罰則が科される。

ナチュラルと13代目幸平一家

 ナチュラルの名を界隈に知らしめたのは2020年6月、歌舞伎町で発生した住吉会・13代目幸平一家・加藤連合会によるナチュラルのスカウト襲撃事件だった。その後、両組織は手打ちし、ナチュラルは暴力団にみかじめ料を支払うことでスカウトバックを得る方針に舵を切り、組織を一気に拡大させて行った。ナチュラルのいわゆる「ケツ持ち(金品を介した後ろ盾)」は13代目幸平一家が担うことになったわけだ。

 警視庁は1月、闇バイトや特殊詐欺などに関与するケースが相次いでいるとして13代目幸平一家の特別対策本部を設置した。警察がヤクザ組織の2次団体を名指しして徹底的な取り締まりに動くのは4代目弘道会以来のことだが、ナチュラルとの蜜月関係を分断したい狙いがあるのは想像にかたくない。

 ナチュラルと13代目幸平一家、双方から捜査を進める警察側に展望はあるのだろうか。

おしぼりなどの備品納入にも

「風俗の店舗の多くにはおしぼりなどの備品納入に絡めて暴力団が入り込んで資金源としており、その関係を断つという意味で警察の捜査は効果的でしょう。その他、マネーロンダリングや詐欺、恐喝などにも双方が何らかの形で関与していると見ており、より重罪に問うことが可能な組織犯罪処罰法などでの起訴を狙っています。一方で、どんな微罪であれ逮捕して起訴に持ち込もうと努めてはいます。が、2000人規模の組織のトップである小畑容疑者が末端のスカウトの振る舞いにまで関与していたことを証明するには、間に入っている途方もない数の幹部やメンバーを逮捕して実態を解明しなければならず、やはり至難の業とも言われています」(同)

 小畑容疑者は現時点では徹底抗戦の構えとされるが……。

「国策捜査と呼べるレベルで頂上作戦が展開される中で、無駄な抵抗をせずに当局と取引することを選ぶのではないかとの見方もあります。警察の捜査を受け、昨年までに解散した同じ風俗スカウト集団・アクセスの事案のような落としどころが現実的だということですね。とはいえ、小畑容疑者自身、数十億レベルの資金を何らかの形でプールしているとの説もあり、捜査当局はまだまだ粘ると思いますが」(同)

デイリー新潮編集部

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