「参政党」でも「れいわ」でもなく「高市首相」がSNSで独り勝ちした理由…有権者の心を鷲掴みにする「庶民宰相」との共通点とは

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 NHKは2月13日から世論調査を実施し、16日に結果を発表した。公式サイトによると高市内閣を「支持する」と答えた人は65%で、2月2日に発表された調査から7ポイント上昇した。支持する理由のベスト3は「実行力があるから」が30%、「他の内閣より良さそうだから」が25%、「政策に期待が持てるから」が22%だった。しかし、この3つの回答は“おざなり”とか“当たり障りのない一般論”という印象が拭えず、心から納得する人は少数派に違いない。(全3回の第1回)

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 なぜ高市早苗首相は抜群の人気を誇るのか。1月27日に公示され、2月8日に投開票が行われた衆院選では高市氏を支持する有権者が圧倒的な存在感を示し、まさに“高市旋風”が吹き荒れた。

 なぜ高市氏は多くの有権者から支持されたのか、Xを閲覧すると「力強い言動が本当に魅力的」、「野党の個人攻撃にも動揺せず、冷静に議論する姿が素晴らしい」など、積極的に評価する意見も目立つ。

 その一方で、「中道がひどすぎた」、「中国の強硬姿勢に有権者が危機感を抱いた」と外部要因を指摘する投稿も少なくない。

 ところが意外に思われるかもしれないが、「なぜこれほど人気があるのか分からない」という疑問の声も決して少なくない。しかも興味深いのは「分からない」は「理解できない」の意味ではないということだ。

 Xでは「高市さんに支持が集まるのは当然」との意見が極めて多い。その上で「とはいえ、その理由となるとよく分からない」と首を傾げているわけだ。XなどのSNSには「なぜ高市さんはあんなに人気者なのだろう?」という“素直な疑問”も数多く投稿されていると見るべきだろう。

 経済ジャーナリストの志村昌彦氏は、心理学の専門誌の編集長を務めた経験を持つ。“高市旋風”の源泉は一体何なのか、“集団心理”の観点から読み説きを依頼した。

高市首相と田中首相の共通点

「高市さんの圧倒的な人気を分析する際、参考になるのは田中角栄です。敗戦後に東久邇宮稔彦王から角栄さんまで11人が首相の座に就きました。そのうち幣原喜重郎、吉田茂、片山哲、芦田均、鳩山一郎、岸信介、池田勇人、佐藤栄作と8人が帝国大学の法学部を卒業しています。彼らはキャリア官僚として活躍するなど、紛れもないエリート層でした。ところが1972年に首相に就任した角栄さんは“尋常高等小学校卒”がアピールポイントで、『名も知れない農民の子供で学歴もない男が、超人的な努力を重ねて首相にまで昇りつめた』と世論の圧倒的な支持を得ました。あだ名は“今太閤”、“庶民宰相”で、政権発足当初の支持率は70%を超えていたのです」(志村氏)

 高市氏も超難関大学であり、名門大でもある神戸大学を卒業しており、学歴だけを見れば知的エリート層の一員であることは言うまでもない。だが彼女には田中角栄に引けをとらない“庶民的”な要素も豊富だ。

 父親は設備機械メーカーのサラリーマンで、母親は奈良県警の警察官。資産家や国会議員の子供といった“特権階級”の出身ではなく、平凡な“中流階級”の家庭に生まれ育った。

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