「お金が好き」発言も飛び出した“トヨタ”次期社長の素顔 「直接会うと、熱く語るタイプ」

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自動車業界を挙げて“底上げ”

 就任からわずか3年なのだから“引責”という言葉が浮かんでしまうのである。2月6日、トヨタ自動車の佐藤恒治氏(56)が4月をもって社長を退任し、後任に近(こん)健太執行役員(57)が就任することが発表された。佐藤氏は、副会長に就くが取締役を外れ、経営陣からも離れることになる。

 もっとも佐藤氏の経営手腕は、十分に合格点だ。

「同日に発表されたトヨタの3四半期の売上高は約38兆円と、対前年同期比で2兆4000億円も伸びており、営業利益は約3兆2000億円を確保しています」(全国紙の経済部デスク)

 同日の会見では司会が「何か悪いことしちゃったのかなと思った人も少なからずいらっしゃったみたいですよ」と先回りして突っ込むと、佐藤氏は「何もないです」と否定するシーンも。では、どうしてこのタイミングでの交代なのだろう。理由は、今年1月、日本自動車工業会(自工会)の会長に佐藤氏が就任したことにある。

 経済ジャーナリストの井上久男氏によると、

「トヨタの好決算もあって、日本の自動車産業はまだ強いと思われています。しかし、世界を見れば猛烈な勢いで中国勢に追い上げられている。EVで先行されているのはもちろん、世界自動車販売ランキングでも7位にBYD、8位が吉利でホンダと日産を上回っている。いま自動車業界を挙げて底上げをやらなければ競争に勝てないというのが実情なのです」

“熱く語る”タイプ

 モータージャーナリストの岡崎五朗氏が言う。

「自工会は昨年暮れに『新7つの課題』を策定していますが、そこでサプライチェーンの競争力強化に触れている。極端な話、業界全体でエンジンや半導体の共用化を進めることまで念頭にあります。これほどの仕事をトヨタ社長のまま進めるのは難しいとの判断です」

 気になるのは、後を託された近氏だ。財務・経理畑が長く豊田章男会長(69)が社長の時代は秘書も務めた。会見では「お金が好きな(おじさん)」と自らを評したが、どんな人物なのだろう。

「決算発表会では淡々としていますが、直接会うと相当に“熱く語る”タイプ。3年前には本社を離れて、子会社『ウーブン・バイ・トヨタ』のCFOに就任していますが、同社のシニア・バイスプレジデントには章男氏の長男の豊田大輔氏(37)がいます。帝王学を授ける意味もあったのでは?」(同)

「大政奉還」も視野に入れたトップ人事か。

週刊新潮 2026年2月19日号掲載

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