侍ジャパン「パ高セ低」となった理由とは?…技巧派よりも「剛腕やスイングパワーが優先された人選」との指摘も

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技巧派よりも剛球

 複数のセ・リーグタイトルホルダー投手の見送りについて、こんな指摘も聞かれた。

「『強いボール』が投げられる投手が優先的に選ばれたようです。セの村上、東は技巧派と呼ばれるタイプの投手で、アメリカ代表を始めとする海外のパワーヒッターと互角に渡り合うことを考えると、剛腕タイプの投手が優先されてしまうようです」(在京球団スタッフ)

 逆にセから選ばれた大勢、高橋はスピン量が多い剛球を投げ込んでいくタイプだ。井端弘和代表監督(50)は投手の詳細な役割分担をまだ明かしていないが、菊池、山本、菅野のメジャーリーガー3人は先発での起用となるだろう。4人目に伊藤、宮城を推す声があるそうだが、種市も有力視されている。昨季9勝8敗、防御率2.63。種市の成績は際立ってはいないが、彼の先発入りが囁かれるのは、「技巧派よりも剛球」の人選基準があったことを裏付けているようだ。

「伊藤、宮城、北山は救援もできるので、第2先発のようなロングリリーフでも期待されているようです」(前出・同)

 近年、日本シリーズやセパ交流戦で「パ・リーグ優勢」が続いている。それを象徴するようなメンバー選出は「捕手部門」でも見られた。

「スプリット、スライダーなど球種は異なりますが、縦の変化球や落ちるボールに活路を見出す投手が多く選ばれました。こちらは『強いボール』とは関係なく、偶然でした。そうなると、捕手に求められるのは投球を後ろに逸らさないためのブロッキング・テクニック。オリックスの若月健矢(30)が選ばれたのは、それが評価されたからです」(前出・同)

 若月はゴールデン・グラブ賞に2年ぶりに選ばれた。井端監督や侍ジャパンのスタッフが着目したのは「捕逸2」だった。規定試合数に到達した捕手のなかで「捕逸2」は最少で、高い守備力を持っていることが評価された。

「付け加えるならば、若月は山本と組んで21年から3年連続で最優秀バッテリー賞にも選ばれています。山本をフル回転させることはしませんが、彼の投げる試合は必ず勝つというビジョンも若月が選ばれた理由の一つです」(前出・同)

「打撃部門のタイトル受賞者」から見ると、首位打者のタイトルホルダーはセパから選ばれた。ソフトバンク・牧原大成(33)と広島・小園海斗(25)だ。盗塁王はパの周東佑京(30)は選ばれた一方、セの阪神・近本光司(31)は選出されなかった。

 セの本塁打王と打点王に輝いた阪神・佐藤輝明(26)の選出は当然として、セ最多安打者賞の中日・岡林勇希(23)は選ばれていない。今回の野手の選出ではスイングパワーが求められたという。その点では、DeNA・牧秀悟(27)、阪神・森下翔太(25)の選出はセ・リーグ関係者の救いにもなったようだ。

国際試合の要諦は「力強さ」?

「井端監督は12球団全てに対し、候補になっている選手名を内々に、でも混乱がないようにしっかり伝えてきました。セ・リーグの主軸投手のなかにはMLB球で自主トレをし、選ばれなかった先発投手もいます」(スポーツ紙記者)

 阪神の春季キャンプでは、最多勝の村上が二段モーションに投球フォームを改造していた。軸足に体重がしっかり乗る分、ボールに加わる力は強くなるはずだ。侍ジャパンに選出されなかったことが影響しているのだろうか。

 DH制の有無で培われた野球観が異なるのは当然だ。しかし、来季のDH制導入前にセ・リーグは国際試合にも通用する“力強さ”について考え直す必要もありそうだ。

デイリー新潮編集部

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